管理人のイエイリです。
5月17日、18日の両日、川崎市で3次元形状計測のセミナー・展示会イベント「SPAR 2011J」が開催されました。
7回目となる今年は、前回に比べて
展示会場が拡大
され、スポンサーの数もほぼ倍増。参加者もいっそう増えた感じでますます盛況でした。
セミナー基調講演は東京大学空間情報科学研究センターの柴崎亮介教授が行ったほか、「建築・BIMセッション」では早稲田大学理工学術院創造理工学部建築学科の嘉納成男教授が司会を務めました。
このほかプラント、学会・協会、土木、文化財、移動計測と、それぞれのセッションが設けられ、各分野の実務者が3次元計測技術の最前線を報告しました。
一方、展示会場には、様々な3Dレーザースキャナーのほか、計測した点群データを設計に使うためソフトや3Dモニターが展示されました。
そして屋外には3Dレーザースキャナーやカメラ、GPS機器などをクルマに積み、高速走行しながら路面や周囲の街並みなどの形状を計測できるモバイル・マッピング・システム(MMS)の実車も展示されていました。
SPAR 2011Jの会場風景(写真:家入龍太。以下同じ) |
基調講演を行ったスパーポイントグループ編集長のサム・フェイフル(Sam Pfeifle)氏は、2011年の3Dレーザースキャンの動向として(1)機器の価格低下、(2)モバイル・マッピング・システムの高速化、(3)スマートフォンなどでの点群データの利用、(4)点群データの扱いの容易化、そして(5)レーザースキャンの測量業界、教育への普及を挙げています。
機器の価格低下を象徴するのが、ファロージャパンがブースで展示していた「FARO Laser Scanner Focus 3D」という3Dレーザースキャナーです。
お値段は、ナ、ナ、ナ、ナント、
500万円(税別)
なのです。
500万円の小型、軽量3Dレーザースキャナー「FARO Laser Scanner Focus 3D」 |
これまではハードとソフトを合わせて1000万~2000万円が常識でしたから、驚きの低価格ですね。また、サイズは240×200×100mmとコンパクト、重さはわずか5kgしかありません。にもかかわらず、性能は従来機種と同等ということです。
この1台があれば、既存の構造物などを計測し、その点群データを3次元CADやBIM用ソフトにに読み込んでそのまま使えるそうです。
3Dレーザースキャナーの価格がこれだけ安くなると、設計者の新しいツールになるのも、時間の問題かもしれませんね。