管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用は、意匠設計や詳細設計から、施工、維持管理分野へと広がりつつあります。
そんな中、福井コンピュータのBIM建築設計システム「GLOOBE」と、日積サーベイの建築数量積算システム「ΗΕΛΙΟΣ(ヘリオス)」が連携し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMモデルを数量積算に
使うことができるようになったのです。
GLOOBEで設計した意匠設計データを、BIM用のデータ交換ファイル形式「IFC」で出力。そのデータをヘリオスに読み込ませることにより、建築概算数量の算出や建築数量積算基準に基づいた実施詳細積算までを行うというものです。
そのため、設計のレベルに応じた数量計算や積算を行う作業が、大幅に効率化できます。
福井コンピュータの「GLOOBE」と日積サーベイの「ΗΕΛΙΟΣ(ヘリオス)」がBIM用のデータ広角形式IFCで連携した(資料:福井コンピュータ) |
日積サーベイは、大手建築積算事務所として官公庁、民間の建築コスト業務を多数手がけています。ヘリオスは、同社の40年にわたる積算の実績で培ったノウハウを生かした建築積算システムです。
建物の平面図や部材などを画面上に配置すると部材相互の位置や高さ、標準配筋情報から、 躯体数量や間仕切壁や断熱材、内外装などの数量を自動的に算出することができます。建築積算システムではトップクラスのシェアを誇っています。
ヘリオスによる数量計算のイメージ(資料:日積サーベイ) |
“日本発”同士のソフトが連携し、意匠設計から実施詳細積算までを
ワンストップで対応
できるBIMソリューションが誕生したことは、喜ばしいことですね。
これまでBIMといえばCGやウォークスルーによる華々しいプレゼンテーションなどが注目を集めてきた面がありますが、今後は積算や施工管理など、地味で泥くさい分野の日本製ソフトもどんどんBIMに対応してほしいと思います。
日本の建設業独特の商慣習や方法がかかわる業務には、海外のソフトには太刀打ちできない分野がまだまだ多く残っているはずです。今回の両社の連携は、その好例として注目したいですね。