管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ツールを駆使し、48時間という短時間で建物を設計するインターネット上の仮想設計コンペ「Build Live Tokyo」(主催:IAI日本)は2009年から3回にわたって、その名の通り東京都内の敷地を課題に開催されてきました。
昨年開催された「Build Live Tokyo 2010」の表彰式(写真:家入龍太) |
今年も9月7日から実務クラスは48時間、学生クラスは96時間で開催されることになりましたが、「Build Live Tokyo」という名称は使えなくなりました。
というのも、課題の敷地は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
神戸のスパコン「京(けい)」
の近くに決定したからです。そのため、今回のコンペ名称は開催地に合わせて「Build Live Kobe 2011」となりました。
京と言えば、文部科学省を中心に開発が進められているスーパーコンピューターで、今年6月に8.162ペタフロップス(毎秒8162兆回の演算)の計算速度を記録し、「世界一」の性能と認定されました。
2009年には行政刷新会議の「事業仕分け」で「2位じゃダメなんでしょうか」と、いったんは開発予算が凍結されたことでも話題になりました。
神戸を舞台に開催される「Build Live Kobe 2011」の公式ブログサイト(資料:IAI日本) |
今回の課題は、神戸市が所有するポートアイランドの「京コンピュータ前駅」近くにある敷地に、ユネスコ認定の「デザイン都市・神戸」にふさわしい建物を設計する、というものです。
課題の内容は今後、「Build Live Kobe 2011」の公式ブログ上で少しずつ発表されていく予定です。
「デザイン都市・神戸」を紹介するウェブサイト(資料:神戸市) |
「デザイン都市・神戸」はデザインによる創造都市戦略であり、その基本理念は、「住み続けたくなるまち、訪れたくなるまち、そして、持続的に発展するまちをめざして、すべての市民が、神戸の持つ強みを活かし、デザインによって新たな魅力を
“協働と参画”で創造
する都市」いうものです。
こうした理念がしっかりと打ち出されている神戸は、デザインコンペの舞台としてとても魅力的な街ですね。
基本理念には、「デザインは目に見える『色や形』だけでなく、それらを生み出す『計画や仕組み』、そのベースとなる『意図や考え方』なども含めた幅広い意味を持っています」と記されています。
BIMの実務での活用は意匠設計から構造、設備の設計、そして施工、維持管理へと広がってきました。BLK2011が「デザイン都市・神戸」の理念にのっとって、BIMならではの様々な挑戦や成果をしっかりと評価し、BIMの活用技術を「世界一」へと進化させる場になることを期待しています。やっぱり、2位じゃダメですよね。