管理人のイエイリです。
土木分野でも構造物の3次元データを使った建設機械のマシンコントロールやマシンガイダンス、締め固め管理、トータルステーションによる出来形管理などの情報化施工が普及してきました。
大成建設はこのほど、従来の情報化施工を進化させたダムICT総合管理システム「(仮称)4D-DIS」(4D-DIS:4 Dimensions – Dam Information Service)を開発し、内閣府沖縄総合事務局(北部ダム事務所)発注の億首ダム建設工事で活用しています。
このダムは、砂礫にセメントを混合させた「CSG」という材料(開発:ダム技術センター)で構築する世界初の「台形CSGダム」です。
従来の情報化施工に加えて、このダムの施工に必要なサブシステムを開発しました。例えば母材の採取・運搬からストックヤードへの仮置き管理には、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ICタグを活用
しているのです。
このほか、CSG材料をプラントで製造してから荷下ろし、転圧するまでのトレーサビリティ管理、そしてローラー転圧に法肩転圧までを含めた締め固め管理も開発しました。
これらのサブシステムで収集したデータに、材料試験や気象、設計データなどを含めて、3次元座標と時間の「4D」で一元管理するのが特徴です。
億首ダムの施工では、発注者の北部ダム事務所と施工情報を受発注者間でリアルタイムで共有できるシステムを共同開発し、監督業務の効率化を図っています。
ダムICT総合管理システムの開発を発表したプレスリリース(資料:大成建設) |
ダムの施工管理では、「トン」、「メートル」といった大きな単位が使われるイメージがありますが、このダムでは構造物を
最小50cmの立方体
のエレメント単位で管理し、そのエレメントにかかわる様々な施工情報を短時間で一括検索・帳票化できるようにしています。
まるで、ダムのBIMモデルに、どの部分が、どのような材料・状況で、どのように施工されたかといった施工時の情報をどんどんインプットしていくようなイメージですね。
このデータは、ダムが完成した後は、維持管理に利用されるとのことです。モデルの情報と構造物の状況が一致している「情物一致」の強みが維持管理業務でも生かされ、業務の省力化や各種の問題解決に生かされそうですね。