管理人のイエイリです。
8月23日から25日まで、早稲田大学早稲田キャンパスで、2011年度日本建築学会大会(関東)が開催されています。
大隈重信の銅像が立つ早稲田大学早稲田キャンパス(写真:家入龍太。以下同じ) |
朝早くから受付は多数の来場者でごったがえした |
初日の23日、朝から同キャンパス15号館の102室には、120人が詰めかけました。この日、102室では、
ナ、ナ、ナ、ナント、
“BIMの日”
とも言えるイベントが開催されたのです。
午前は材料施工委員会主催の「BIMによって建築生産はどのように変わるのか」、午後は情報システム技術委員会主催の「BIMはどこまで来ているか」が、丸一日、行われ、多数のBIM関係者が来場しました。
15号館102室で8月23日、午前に開催された「BIMによって建築生産はどのように変わるのか」 |
午後の「BIMはどこまで来ているか」 |
どちらのイベントも、BIM導入企業の最新活用事例や、実務での課題などが紹介され、非常に聞き応えのある内容でした。
「日本のBIM元年」と言われた2009年から2年以上がたち、BIMの仮想コンペを通じてソフト間のデータ交換性能がよくなったり、意匠、構造、設備の設計・施工におけるフロントローディングの効果が明らかになったりと、日本ならではのBIM活用史が少しずつできてきたような感じがしました。
この日のために用意されたテキストも力作です。「BIMによって建築生産はどのように変わるのか」は、材料施工委員会がこれまでバーチャルリアリティーから始まり、BIMへと発展した7年間の研究成果を集大成したものです。
特筆すべきは、建設業界のほか、自動車やエレクトロニクスなどの分野も含めた14の企業・団体のBIMや3次元設計関係者に「突撃インタビュー」を行い、リアルな記事を載せていることでした。
また、「BIMはどこまで来ているか」のテキストには、日本のBIM活用をリードする大学や設計事務所、建設会社、ソフトベンダー、公的機関など様々な分野から17編の寄稿集が掲載されています。
さらに巻末には、1950年代から現在までの社会情勢や法規と、ハード・ソフトの歴史をまとめた年表が付いています。これは極めて珍しい資料と言えるでしょう。
「BIMによって建築生産はどのように変わるのか」(定価1500円)と「BIMはどこまで来ているか」(定価1200円)のテキストは、どちらも力作です |
これだけの内容のテキストなので、ぜひ買って帰ろうと、休憩時間にテキスト売り場に行ったところ、
ナ、ナ、ナ、ナント、
両方とも売り切れ
になっていたのでした。
テキスト売り場(左)では、両テキストとも早々に完売していた |
日本のBIM活用は現在も進化し続け、近い将来、建設業界を変える原動力になることを実感した一日でした。