管理人のイエイリです。
今年はピーク電力削減や災害時の停電などに備えるため、各社から家庭用蓄電池の新製品が発表されています。
ただ、これまでのリチウム蓄電池は1kWh~2kWhタイプが主流だったため、停電時には照明やノートパソコンなど用途が限定されるものが多くありました。
そこでリチウム蓄電池システムの開発会社、フジメディテック(静岡県御前崎市)と、ファインフーズ(大阪市中央区)は、停電時に戸建て住宅の電力を丸ごと供給できるリチウム蓄電池「スーパーテラスタメル」を今月、発売しました。
その容量は7.2kWhもあります。1.44kWhのバッテリー5個を使用した蓄電池の重量が80kg近くにもなるため、
ナ、ナ、ナ、ナント、
床下収納のスペース
を利用して取り付けるのです。電気設備の工事により、バッテリーを充電するための商用電源の引き込みや、専用コンセントの設置を行います。
専用コンセントに供給する電力は、出力電圧は100VAC、50Hz/60Hzのサイン波 で、単相200VACもオプションで可能です。
戸建て住宅の電力を丸ごと供給できるリチウム蓄電池「スーパーテラスタメル」(写真・資料:フジメディテック。以下、同じ) |
一方、床下収納スペースがないマンションでは、ベランダに風雨を防げる箱を設置してバッテリーを収め、そこから電設工事によって必要な部屋にコンセントを設置します。
これまで、7kWh以上の大容量リチウム蓄電池は、大きさが自動販売機くらいあり、価格も数百万円と高額でしたが、今回のスーパーテラスタメルは、
標準工事込みで98万円
と低価格なのも特徴です(価格は税別。以下同じ)。販売は全国の工務店を通して行います。
出力は家庭内の電力配線網とは連携していないシンプルな仕組みですが、これだけ大量の電気が床下に貯蔵されていると考えると、いざという時にも安心ですね。
さらに容量を倍増した14.4kWhタイプもあり、医院やクリニック、病床20床までの病院や動物病院、研究所などに丸ごと電力を供給できます。こちらはオプションで三相200VACも可能になっています。価格は250万円前後の予定です。
7.2kWhタイプの性能 |
出力電力:3000W |
14.4kWhタイプの性能 |
出力電力:6000W (3000W × 2) 出力電圧:100VAC 50Hz/60Hz サイン波 (単相200VAC、三相200VACもオプション) システム容量:14400Wh 重量:約200kg 使用温度:0~45℃ (充電), -10~50℃ (放電) 希望小売価格:250万円前後予定 |
また、不意の震災用に1.2kWhのキャリーバッグ型のリチウム蓄電池(バッテリー・インバーター内臓、充電器付属)を「テラスタメルポータブル」の商品名で、29万8,000円で提供するほか、携帯電話の基地局用に2.88kWhの「基地局向けテラスタメル」(基地局専用)も、同時発売します。
1.2kWhのキャリーバッグ型のリチウム蓄電池「テラスタメルポータブル」 |
2.88kWhの「基地局向けテラスタメル」 |