BIMソフトが続々対応!XVL形式が建設業界に急接近
2011年9月22日

管理人のイエイリです。

9月21日、川崎市で設備用BIMソフトベンダー、シスプロ主催の「BIMデータ活用セミナー~建築業界におけるCADデータの有効利用について」というセミナーが開催されました。当日は関東地方を台風15号が迫るなか、キャンセル続出かと思いきや、約40人が参加しました。

事例紹介として設備設計におけるBIMの取り組み(竹中工務店)のほか、シスプロパートナーによる遠隔地からのワークステーション遠隔操作システム(エルザジャパン)、CADファイルの暗号化システム(ネスコ)といった、BIMに関する最新技術動向が約3時間にわたって紹介されました。

そのなかで、気になる話題がありました。製造業で培われた3次元フォーマットの「XVL形式」が、建築業界にも“進出”しつつあることです。「XVLフォーマットの建築業界への適用の可能性」と題したラティス・テクノロジーの発表の後、シスプロ技術本部取締役の本田礼之氏が明らかにしたことは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

DesignDraftがXVLに対応

 

するという情報だったのです。

「XVL」形式とは、自動車や造船業界などでの3次元設計で普及しているもので、軽くて部材の属性情報も伝えられるのが特徴です。

例えば数GBもあるエンジンの3次元CADデータをわずか17MBくらいで表現でき、データ容量は100分の1くらいに小さくできます。そのため2万~3万点の部品からなるクルマの3Dモデルを、パソコン上で同時に8台分も扱うことができます。

シスプロは今年11月、同社のBIM対応設備CAD「DesignDraft」の最新版「DesignDraft V5」に合わせて、DesignDraftのファイル形式である「DGN」形式を「XVL」形式に変換するソフト「DGN-XVL Converter V1.0」をリリースすることになりました。

20110922-image1.jpg  20110922-image2.jpg

シスプロ技術本部取締役の本田礼之氏の講演(写真:家入龍太。以下特記以外は同じ)

DesignDraft V5と合わせてリリースされる「DGN-XVL Converter V1.0」
20110922-image3.jpg 20110922-image7.jpg
iPadで表示したXVL形式による建物のモデル(写真:ラティステクノロジー) iPad上で表示した設備の3Dモデル(資料:ラティステクノロジー)

このソフトは、DesignDraftで設計したBIMモデルデータを、

 

属性情報付きのまま

 

非常に軽いXVL形式に変換することができます。そのため、iPadなどの携帯情報端末でも、手軽にBIMモデルを扱うことができ、施工現場や維持管理などの業務での活用がしやすくなります。

XVL形式の書き出し機能を持っている建設業界向けソフトはDesignDraftのほかにもあり、BIMソフトでは福井コンピュータの「GLOOBE」、住宅プレゼンソフトでは日本ユニシス・エクセリューションズの「DigiD」、躯体図作図ソフトではソフトウェアセンターの「SIRCAD」があります。

XVL形式は、3D情報を保ったまま表計算ソフトExcelに張り付けたり、任意の角度で「スクリーンショット」を撮影したり、スクリーンショットを基に3Dデータの所定の個所を探し出したりと、紙の手軽さと3Dの強みを併せ持つデータ形式として、製造業の現場で誰もが分かりやすい作業指示書などに利用されてきました。

BIMで設計しても、建設現場や維持管理の現場では紙図面でないと使われない、というのがこれまでの常識でしたが、3次元のXVL形式をおなじみのExcelに張り付けるという業務スタイルから、現場に3Dの文化が普及していくのかもしれませんね。

(Visited 1 times, 1 visits today)

Translate »