管理人のイエイリです。
このところ、建物や構造物のBIMモデルや3Dモデルをタブレット端末やスマートフォンで表示したり、ウオークスルーしたりできるサービスの発表が相次いでいます。
当サイトでも、グラフィソフトジャパンの「BIMx」、シスプロのDesignDraftや福井コンピュータのGLOOBEなどの「XVL対応」、メガソフトの「3Dプレイス」などを紹介してきました。
この流れに乗っているのかどうかは分かりませんが、ついにCAD界の巨人も動き出しました。オートデスクは9月28日、同社製品ユーザー向けに提供するクラウドコンピューティングサービス「Autodesk Cloud」を発表しました。
ラインアップされたソフトやサービスの中には、
ナ、ナ、ナ、ナント、
iPadでウオークスルー
できる「Design Review Mobile」というフリーソフトが含まれているのです。iPhone版も用意されています。
iPadで3Dモデルをウオークスルーできる「Design Review Mobile」(写真:家入龍太) |
DWF形式で作成した2D図面や3Dモデルを、iPadやiPhoneで見られるようにしたアプリです。早速、iPadにダウンロードして、付属のサンプルデータを開いてみました。
2本の指を使って「前進」「後退」や上下左右の回転などが軽快にできます。Revit Architectureで作成したBIMモデルを3DのDWF形式に書き出せば、iPad上でプレゼンができます。
このほか、Autodesk Cloudのラインアップとして位置づけられた製品は、ウェブブラウザーを通じてファイルの保存や共有が可能になる「Cloud Documents」や、DWG形式の図面を編集、共有できるクラウド版の「AutoCAD WS」があります。
モバイル機器向けはApple App StoreやGoogle Android Marketでダウンロードできます。
このほか、オートデスクのサブスクリプションユーザー向けのクラウドサービスは、強力なレンダリング機能を提供する「Cloud rendering」や、Revitから建物全体のエネルギー消費量やライフサイクルコストを解析できる「Revit Conceptual Energy Analysis」、初期設計段階で建物全体のエネルギー解析ができる「Green Building Studio」、そして文書やデータなどのプロジェクト情報を一元管理できる「Buzzsaw」などが今回、発表されました。
「Cloud Documents」の画面(資料:オートデスク。以下同じ) |
「AutoCAD WS」の画面 |
「Cloud rendering」の画面 | 「Revit Conceptual Energy Analysis」の画面イメージ |
「Green Building Studio」の画面 | 「Inventor Optimization」の画面 |
Autodesk Cloudの日本語版は10月26日から提供開始されるとのことです。
レンダリングや解析など、高機能なパソコンと計算時間がかかる作業は
クラウドにお任せ
という仕事のスタイルが今後、普通になっていくのでしょうか。
クラウド化やタブレット端末やスマートフォンへの対応は、施主へのプレゼンや、現場での施工管理や維持管理へのBIMや3Dモデルの活用を加速していきそうです。これからが本番ですね。