管理人のイエイリです。
昨日は、「空中都市」として知られるペルーの「マチュピチュ遺跡」を、3Dレーザースキャナーによって丸ごと3Dモデル化したバーチャルリアリティー作品をご紹介しました。
しかし、約90地点で3Dスキャナーで計測した点群データを組み合わせる作業は相当、大変だったと思います。
今日、ご紹介するのは同じく3Dレーザースキャナーを使った測量技術ですが、もっと手軽に、サクサクと街や建物の3Dモデルを作ることができます。
三菱電機が11月28日に発売した三菱モービルマッピングシステム(MMS)の新製品「MMS-X320R」で、クルマに積んだ3台の3Dレーザースキャナーで走行しながら周囲の街並みや建物の点群データを大量に収集するものです。
その測定距離ですが、
ナ、ナ、ナ、ナント、
200m先までの点群データ
まで計測できるようになったのです。
11月28日に発売されたMMSの新製品「MMS-X320R」の特徴(資料:三菱電機) |
クルマには2台の標準的なレーザースキャナーと、1台の長距離・高密度レーザーを搭載。車両の周辺は標準レーザーで、遠くの都市景観や高層ビルの屋上、堤防や斜面の形状などは、毎秒30万点の高密度な点群で計測します。
その精度はGPS衛星が見える区間なら、80m先で絶対精度10cm以内です。
今回の新製品の狙いは、計測のニーズが従来の道路周辺の計測のほか、高層ビルなどを含めた都市景観、堤防や斜面などの地形、電線や建物の詳細形状などに広がっているためです。
そこで、200m 先まで360°をぐるりと測れる長距離・高密度レーザー(オーストリアRiegl社製のVQ-250)を追加搭載し、計測用途の範囲を広げました。
測定距離と精度(資料:三菱電機) |
大量に取得した点群データを後処理するソフトも改良され、立体地図や建物の外観図が簡単に作れるようになりました。
また、クルマには500万画素のデジタルカメラも搭載しているため、点群に色を付けることも可能です。
点群とカメラ画像を組み合わせることにより、
白線や縁石などを自動認識
させるオプションソフトも用意されています。
MMSは2010年から公共測量にも採用され、国土交通省の500分の1縮尺相当の地図作成に使われているほか、同8月には国交省の新技術情報提供システム(New Technology Information System:NETIS)にも登録(登録番号:KK-090011)されています。