土木インフラにもBIMを!オートデスクがInfrastructure Modelerを発売
2011年11月2日

管理人のイエイリです。

建築業界では、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)による建物の意匠設計や詳細設計、施工計画などの活用が進んでいます。

BIM活用の流れは、道路や上下水道、都市計画といった土木インフラ分野にも及んで来るかもしれません。

オートデスクは11月22日に「Autodesk Infrastructure Modeler 2012」というソフトを発売しますが、その正体は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

土木インフラ用のBIMソフト

 

なのです。

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Autodesk Infrastructure Modeler 2012 の画面(資料:Autodesk。以下同じ)

3次元の地形で街全体をモデル化し、この上に建物や道路、地下埋設物、河川、トンネル、橋などを配置していき、都市計画の作成や環境への影響評価などを行えるものです。下水道管などの地下埋設物は、ちゃんと地下に配置できます。

特徴は、手早く都市計画案が作れることです。道路や橋、建物などの基本的なデザインがあらかじめ用意されメニューに入っています。そこから案に近いものを選んで都市モデル上にドラッグアンドドロップすると、どんどん街が出来上がっていきます。

また、AutoCAD Civil 3D やAutoCAD Map 3Dといった、他のCADやGIS、BIMなどのソフトで作ったモデルデータの読み込み、書き出しも可能です。

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下水道施設の道路上(左)と地下(右)の表示例

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ドラッグアンドドロップによる道路のデザイン
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道路の概略デザイン後、Civil 3Dで切り土、盛り土を設計してInfrastructure Modelerに読み込んだ例

BIMソフトらしく、モデル上の建物などには、それぞれ属性情報が付いています。面白いのは、解体時期や竣工時期などの時間の属性です。これによって表示させる年月を変えると、モデル上でも古い建物から新しい施設に建て替わっていきます。

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左側の画面に建物の属性情報が表示されている 建物解体時期の入力
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建て替え前(左)と建て替え後

街全体を3Dモデルにするのだから、建物などは簡単な外形くらいしか入力できないのではないかと思う方もいらっしゃるでしょう。

ところが、YouTubeにアップされているInfrastructure Modelerのデモンストレーションビデオを見ると、

 

建物の中をウオークスルー

 

している例も紹介されています。

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建物内部もウオークスルーできる

道路やライフラインなどの土木インフラは、新設というよりも日常の維持管理が重要です。地下埋設物などが正確にモデリングされ、Infrastructure Modelerなどのソフトで実物の状態が分かると、維持管理業務や道路工事などの計画もスムーズになりそうですね。

道路下を通る管路の位置などを「拡張現実感(AR)」によって確認することもできそうです。

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