管理人のイエイリです。
40代以上の人は子供のころ、「電子ブロック」や「電子ボード」などのおもちゃで遊んだという人も多いのではないでしょうか。
トランジスタや抵抗、コンデンサーなどが入った小さなブロックを、配線図に従って基板上に並べると、ラジオやウソ発見器、雨降りアラームなどが作れるものです。
ここ数年、プロ向けの“電子ブロック”とも言えるイタリア生まれのシステムが、制御や通信機器などの開発者、研究者の間で注目を集めています。
その名も「Arduino(アルディーノ)」というもので、数センチ角のUSB端子付きの基盤に、加速度や温度・湿度などのセンサーやLAN端子、スイッチ、LED(発光ダイオード)など、様々な部品をつないで目的の電子回路を作るものです。
回路には8ビットのCPUが搭載されており、回路の動作に必要なプログラムをパソコンから書き込むことで様々な機器を制御できます。
基板上に部品を差し込んで回路を作る「Arduino」(写真:家入龍太。以下、同じ) |
「Arduinoをはじめようキット」には基盤や回路作り用のボードが含まれて3980円 |
基本となる基盤(左)の上に、独自に作った回路のボードを2~3個接続して目的の機器を作る | 完成した回路の例 |
見た目は一見、難しそうですが、既に多数の回路の「実体配線図」が公開されていたり、「シールド」と呼ばれる完成回路の部品が売られていたりします。
そのため、やってみると非常に簡単で、開発スピードも早く、コストも数千円~数万円程度でできるとのことです。
このほど、ムトーエンジニアリングは画期的なシールドを開発しました。「3Gシールド」というもので、
ナ、ナ、ナ、ナント、
携帯電話の3G回線
の電波を送受信できる基盤です。
加速度や温度・湿度などのセンサー、そのデータを解析するプログラムとともに、この3Gシールドを接続し、橋や建物のいろいろな場所に付けておくと、離れたところから加速度や湿度などの監視が行えます。
このほか、測量用の無人飛行機や無人化施工用の建設機械の制御など、用途は無限にありそうです。
12月19日、東京・中野で3Gシールドの発表会セミナーが開催され、約50人が参加。会場は座席を追加するほどのにぎわいぶりでした。
ムトーエンジニアリングが開発した「3Gシールド」(赤枠内)を使った湿度アラーム。枠内右側の部品がケータイ用のSIMカード |
東京・中野で開催された発表会セミナー |
セミナーで3Gシールドの今後の展開について登壇した人は、どこかで見覚えがあるなと思っていたら
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
IAIの元・技術統合委員長
である、ムトーエンジニアリングの高本孝頼さんだったのです。
「3Gシールド」の発表会セミナーで講演する高本孝頼さん |
高本さんは、今後、3GシールドやArduinoを普及させていくため、同社と様々な企業や研究・教育機関とアライアンスを組んで、活動を活発化させていきたいと語りました。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の普及で、今やIAI日本は日本のBIMには欠かせない団体の地位を確立しました。
以前、技術統合委員長として多くの企業をまとめ上げた手腕をArduinoの世界でも生かしてほしいですね。
なお、3Gシールドの最新情報は、フェイスブックページ「Arduino3Gシールド」が設けられていますので、ご参照ください。