30階建てビルを15日で完成!YouTubeで話題の中国企業の正体は
2012年1月17日

管理人のイエイリです。

今年に入ってから、動画投稿サイト「YouTube」で話題になっている建設関係のビデオがあります。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

30階建てビルを15日で完成

 

させるまでの工程を、タイムスケール付きで記録したビデオなのです。

しかも、建設予定地はさら地で、杭打ち基礎を施工するところから始まり、鉄骨柱や床版を組み立て、さらにはベッドなどの家具まで施工して、360時間ほどで完成させてしまうという驚異のスピードです。

現場での施工に先立って工場生産された床材にはタイルがあらかじめ施工され、その下には配管や照明などもあらかじめ取り付けられています。それを工場からトレーラーで次から次へと運び、タワークレーンによって現場で組み立てて行くのです。その一部始終をご覧ください。

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30階建てビルを15日で完成させるまでの一部始終(写真:YouTubeより)

YouTubeのサイトの検索窓で「30story 15days」と検索すると、様々なバージョンの動画が投稿されており、中には300万回以上試聴されたものもあります。世界各国から寄せられたコメントの数も半端ではありません。

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YouTubeで「30story 15days」と検索した例(画像:YouTube)

投稿されているビデオの例(YouTubeより)

このビルを施工したのは、中国の遠大集団(英語名:BROAD GROUP)という会社です。同社のウェブサイトによると、1988年に湖南省の郴州市(Chenzhou, Hunan)に資本金3000ドルで設立された空調機器開発会社としてスタートしました。

1990年代には、天然ガスやバイオガスなどを使った非電気式の冷暖房機器やパッケージエアコンの製造を開始し、2000年代には空気浄化装置を開発し、60カ国で販売した実績があります。

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遠大集団のウェブサイト(画像:遠大集団)

私が遠大集団の存在を初めて知ったのは、2010年に開催された上海万博の時でした。同社は企業パビリオンが立ち並ぶ一角に5階建てのパビリオンを建てて出展していました。

ユニークな外観の他社パビリオンに比べて、一見、地味なパビリオンでしたが、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

24時間で現場施工した

 

のが特徴です。

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上海万博に出展した遠大集団のパビリオン(写真:家入龍太)

24時間での施工を記録したビデオ(YouTubeより)

その後、同社は中国湖南省の長沙市で15階建ての「アークホテル」をわずか6日間で完成させました。これらの建物は、施工スピードが驚異的に速いだけでなく、設備会社らしく断熱性の高い非金属のサッシや空気浄化システムを採用するなど、省エネルギーや環境に配慮した設計になっているのも特徴です。

15階建ての「アークホテル」も6日間で完成(YouTubeより)

遠大集団のウェブサイトには「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」という単語は見つかりませんが、これだけスピーディーな施工を実現するためには、細部にわたって干渉問題を事前に解決し、「現場合わせ」による施工はなくしておく必要があります。工場生産によるコスト削減や現場作業の単純化による安全性の向上も、メリットがありそうですね。

TPPには中国は今のところ参加する様子はありませんが、海外建設プロジェクトで国際競争に耐えるためにも、日本の建設会社や建築設計事務所は、彼らの取り組みを研究してみる必要があるかもしれません。

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