管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の普及は、意匠設計分野から始まり、構造や設備、施工などだんだん建設プロジェクトの下流分野まで進んできました。
それを象徴するようなできごとがありました。建築設備の専門誌「建築設備と配管工事」(日本工業出版)の2012年4月号で、
ナ、ナ、ナ、ナント、
76ページのBIM特集
が掲載されたのです。編集ページ全体で96ページですから約80%がBIMの記事で埋め尽くされたことになります。
「建築設備と配管工事」2012年4月号の表紙(資料:日本工業出版。以下同じ) |
その寄稿者は、発注者から標準化団体、建築設計事務所、建設会社、ソフトベンダーまで、そうそうたるメンバーが名を連ね、BIMの最先端事例を惜しみなく紹介しています。
例えば、国土交通省官庁営繕部がBIMの導入プロジェクトを解説したり、安井建築設計事務所がBIM教育と普及について説明したりしています。
また、竹中工務店は基本設計から詳細設計、施工、ファシリティマネジメントと一連の建設プロセスの流れにおけるBIM活用を紹介しています。同社は完全な干渉チェックを行い、着工前に施工性を確認することを“バーチャル竣工”と呼んでいますが、この言葉が現在、商標登録中ということも分かりました。
また、設備用BIMソフトベンダーもダイテック、NYKシステムズ、シスプロ、富士通四国システムズと、出そろっています。
記事のタイトルと著者を見て、日建設計や鹿島建設、清水建設、大成建設、そしてベンダーではオートデスク、グラフィソフトジャパン、ソフトウェアクレイドル、ダッソーシステムズなどが抜けているではないか、とお思いの方もおられるでしょう。
しかし、ご安心ください。このBIM大特集は、4月号だけでは納まりきらず、
ナ、ナ、ナ、ナント、
5月号にも引き続き掲載
されるからです。今回、抜けていたビッグネームの企業は、来月号で登場する予定だそうです。
「建築設備と配管工事」2012年4月号のホームページ。通販も受け付けています |
建築設計の中でも意匠、構造の後にくる設備の専門誌で、これだけ大々的にBIMが取り上げられたのは、時代を象徴する出来事といってもいいでしょう。
手戻り工事が多いと言われる設備業界でBIMが普及し、“フロントローディング”によって手戻りの無駄を利益に変えられるようになると設備業界も元気になりそうですね。