昭和27年に帰りたい!VRコンテスト審査員を感動させた作品力

2012年9月21日

管理人のイエイリです。

フォーラムエイトは毎年、バーチャルリアリティー(VR)作品を対象とした「3D・VRシミュレーションコンテスト」を実施しています。同社のVRソフト「UC-win/Road」を使って、まちづくりや土木インフラなどの計画を作成し、その出来映えを競うものです。

今年の受賞作品が昨日(9/21)、東京・品川で開催中の「FORUM8 Design Festival 2012-3Days」の会場で発表されました。

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「第11回3D・VRシミュレーションコンテスト」の授賞式(左)の様子と受賞者・審査員(右)(写真:家入龍太)

今回で11回を迎えたコンテストの応募作品には、施設や構造物をVRモデルにしただけではなく、その施設が実現したときにどのような生活や暮らしがあるのかを描いたストーリー性が感じられるものが多かったのが特徴です。

例えば、最優秀のグランプリ賞に輝いたのは、トヨタ自動車の「VRシミュレーションを活用した超小型EV車シェアリングシステム企画」という作品です。JR三河豊田駅からトヨタ自動車の本社までの間を、超小型EV車を使って通勤する手順をVR作品にまとめたものですが、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

まるで映画を観るように

 

自宅でケータイを使って予約するところから、EV車の貸し出し、運転、返却手順までをリアルに体験できるのです。

VRの“主演女優”は、ICカードをタッチしたり、腰をかがめて充電コードを差し込んだりというシーンをリアルに演じていました。超小型EV車シェアリングシステムというものがどんなものなのかを、まるで未来に行って乗ってきたかのように思えました。

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自宅でEVを予約(左)し、出勤当日に三河豊田駅のEV貸出場に行く(右)

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ICカードを車両にタッチ(左)して乗車し、本社まで運転(右)
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本社の貸出場に到着(左)すると充電コードを差し込み(右)、再びICカードをタッチすると返却完了(以上6点の資料:トヨタ自動車)

優秀賞に輝いた九州オリエント測量設計の「点群データを用いたまちなみ修景計画シミュレーション」は、3Dレーザースキャナーで計測した街並みの色付き点群データの上に歩道や電柱、石垣のライトアップなどの修景計画をVRでモデル化したものです。既存の街並みを表した点群は、街の息づかいや生活をリアルに感じさせました。

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「点群データを用いたまちなみ修景計画シミュレーション」の一場面(資料:九州オリエント測量設計)

同じく優秀賞を受賞したフランス・BMIA社の「VRによるトンネル管理者向け訓練システム」は、VRによってトンネルのオペレーターを訓練するシステムです。トンネル内で火災や事故が起こったときの様子を再現し、時々刻々と変化する状況に対して、オペレーターがどのような手を打つべきかをリアルなストーリー仕立てで訓練することができます。

このシステムについては昨年、当ブログでも現地取材を行い「事故への対応を鍛える!トンネル交通管理者向けVRシステムが登場」という記事で紹介したことがあります。

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「VRによるトンネル管理者向け訓練システム」(資料:BMIA)

今回のコンテストで、審査員を感動させたのは、アイデア賞を受賞した井尻慶輔さんの「昭和27年当時の大牟田市内線路面電車軌道及び沿線の復元」という作品です。

炭鉱が盛んだった昭和27当時、福岡県大牟田市で市民の足として親しまれていた大牟田路面電車市内線が活躍する姿をVRで復活させたものです。

懐かしい路面電車の横には、当時の格好をした人々が歩き、ガードの上を

 

凸電が引く石炭列車

 

が通り過ぎるといった懐かしさ満点の作品です。

井尻さんはこの作品を作るために個人でUC-win/Roadを購入し、作品はお年寄りをはじめとする多くの市民に感銘を与えたそうです。懐かしい作品から、みんなにまちづくり計画への興味をもってもらうという方法もいいですね。

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「昭和27年当時の大牟田市内線路面電車軌道及び沿線の復元」の名場面(資料:井尻慶輔氏)

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井尻慶輔さん(左)と会場の様子(右)(写真:家入龍太)

VRも「モノ」から「コト」へと変わってきたのでしょうか。コンペのプレゼンでも参考になりそうな作品が満載でした。

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