日本語の図面でOK!タイ鉄骨工場の手軽な活用法を大公開
2012年10月17日

管理人のイエイリです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使った鉄骨の海外生産現場をこの目で確かめるため、昨日(10/16)、タイのSTP&I社のチョンブリ工場に行ってきました。

工場内にはCNC(コンピューター数値制御)のプラズマ切断機やガス切断機、穴開け機などが並び、加工用のデータも構造の詳細設計用BIMソフト「TeklaStructures」で作っています。これは、先週レポートしたシンガポールのヨンナム社と同じ方法ですね。

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STP&I社のチョンブリ工場(左)と内部(右)(写真:家入龍太。以下同じ)
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工場内のCNC切断機(左)とCNC穴開け機(右)
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BIMによる設計を担当する部署(左)。製作図の作成作業(右)

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受け付けの姉妹

同社はバンコクに本社があり、工場はチョンブリのほか、シーラチャ(Si Racha)やラヨーン(Rayong)、ラエム・チャバン(Laem Chabang)の4カ所にあります。

チョンブリ工場の特徴は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

日本のHグレードの認証

 

を受けていることなのです。

つまり、日本国内の工事でも板厚60mm以下の部材なら、この工場で作れるというわけです。六本木ヒルズや中部国際空港といった有名な建物のほか、鉄鋼会社や大学などでも、この工場で製作した部材を使った実績があるそうです。

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Hグレードの認定書や指定書。「国土交通大臣 羽田雄一郎」の名前で発行されています

この工場を使うメリットは、なんと言っても円高メリットを生かした低コストです。日本の工場に比べて数割は安くなるようです。

しかし、タイの工場に部材の製作を頼むとなると、英語やタイ語で図面を描いたり、製作のためのやりとりをしたりしないといけません。言葉や文化の違いが障壁となって、海外の工場での鉄骨製作に踏み切れない日本企業も多いのではないでしょうか。

その点、この工場には力強い助っ人がいます。東京都中央区に本社を置く泰(タイ)エンジニアリングのスタッフが工場内に常駐しているのです。

彼らの仕事は日本の建設会社やプラント会社などからの部材製作依頼を、STP&Iの工場に取り次ぐことです。

図面や仕様書なども、英語に翻訳し、工場生産で問題になりそうなところはあらかじめ日本国内で解決しておきます。そして工場では生産管理も行ってくれます。

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チョンブリ工場内にある泰エンジニアリングのオフィス(左)。工場内を見回るスタッフ(右)

つまり、

  

日本語で描いた図面

 

や仕様書をそのまま彼らに渡せば、STP&I社の工場で部材製作ができるのです。お手軽に海外生産を行えるユニークなサービスですね。

泰エンジニアリングの長田泰範社長は、以前、巴コーポレーションの海外部門で活躍していました。その経験を現在の仕事に生かしています。

チョンブリ工場のスタッフは日本人のほかタイ人やフィリピン人がおり日本で働いた経験がある人が多いので、皆さん、日本語が上手です。

円高メリットを生かしたい建設会社の方、泰エンジニアリングの力を借りて海外生産にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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泰エンジニアリングの現地スタッフ。ビューティーな女性社員が日本語で対応してくれます

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