まるで太陽!戸田建設などが朝、昼、夕を感じる照明を開発
2013年2月25日

管理人のイエイリです。

工事現場などの取材で写真を撮る時、午前中の太陽光は白に近い色なのに対し、午後2時ともなるとだんだんオレンジっぽくなってきます。これは、朝、昼、夕で太陽光の「色温度」が変化するためです。

屋外にいると、このような太陽光の色の変化で時の経過を感じることができますが、屋内で一日中、同じ照明がついているところにいると、いったい何時なのかがよく分かりません。

そこで、戸田建設、村田製作所、ウシオライティングは画期的な照明システムを開発し、実証実験を開始しました。

太陽光と同じように、時間によって、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

色温度が変化するLED照明

 

なのです。

その名も「スマートホスピタルライティングシステム」というもので、次世代病院向けの照明システムです。今夏以降に埼玉県や千葉県内の病院に導入することが決まっています。

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戸田建設本社ビルに設置されたスマートホスピタルライティングシステム。左から朝→昼→夕方を光色制御している。下段は色温度のイメージ(写真:戸田建設。以下同じ)

人間の体は約24時間周期で生理現象が変動する「サーカディアンリズム」という生体リズムがあり、体内時計で睡眠や目覚め、ホルモン分泌や体温変化などのコントロールを行っています。

寝たきりの人や外出が自由にできない人など、単調な入院生活を送っている患者はサーカディアンリズムが崩れがちになります。そこで、このシステムで日の出(朝)、日中(午前、午後)、日没(夕方)、夜間(就寝前)、深夜(消灯)と、照明の色温度を時刻に応じて変化させていくことで、生活サイクルの安定化を図ろうというわけです。

戸田建設は医療・福祉施設の施工で重ねてきた豊富な知識とノウハウ、村田製作所は無線通信技術、ウシオライティングは色温度にフォーカスした光色制御といった各社の得意技術がコラボレーションして、このシステムが生まれました。

また、光環境の検証には、千葉工業大学工学部建築都市環境学科の望月悦子准教授がアドバイザーを務め、サーカディアンリズムにおける最適な生体リズムの検証を行います。

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小松村田製作所での光色制御実証試験

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無線通信による照明シーン設定

 

色温度の制御は「ケルビンコントロール」と言い、昼光色と電球色の色温度を持つLED光源をコントロールして暖かみのある光(色温度:3000K)からクールな光(同:6500K)までを作り出します。

制御には省電力、低コストの短距離無線通信規格「ZigBee(ジグビー)」を採用。患者から離れた場所でも手軽に様々な照明制御が行えます。

また、無線スイッチには、

 

電池なしで信号を送信

 

できる電池レスタイプのものを使用しています。

戸田建設は、2020年までに「ZEB(ネットゼロエネルギービル)」の実用化を目指しているそうです。そのためか、スイッチや制御装置の選び方も徹底した省エネ意識が感じられますね。

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