管理人のイエイリです。
停電が起こると、マンションのエレベーターはストップしてしまい、高層階に住む人は長い階段を使って上り下りしなければいけないというのがこれまでの常識でした。
この常識を打ち破ったエレベーターが三井不動産レジデンシャルの新築分譲マンション「パークシティ南浦和」(さいたま市)に装備されることになりました。
停電時には、
ナ、ナ、ナ、ナント、
蓄電池の電気で運転
できるエレベーターなのです。
このエレベーターシステムは日立製作所が納品しました。いつもは商用電源で運転しますが、同時に蓄電池にも充電しておきます。そして、災害などで停電が起こった時や計画停電時には、電源を蓄電池に切り替えて運転を継続する仕組みです。
蓄電池とエレベーターの連動制御イメージ(資料:日立製作所。以下同じ) |
停電時、蓄電池だけで運転する時は、自動的に運転スピードが定格速度の105/分から45m/分に切り替わります。このとき、エレベーターのかご内では「蓄電池システムで低速運転しています」との表示が出ます。
また、蓄電池の残量信号をエレベーター側に送る装置を取り付けると、電気がなくなる前に最寄り階に停止して「低速運転終了。ドアが開いたらおりてください」といった表示を行います。
運転時、運転終了時のかご内の表示例 |
蓄電池は電源出力が三相200Vと単相100Vを持ち、自動切り替え用の接点などを持つものであれば、どのメーカーの製品でも使えます。
停電時でもエレベーターが使えるのはありがたいですが、蓄電池はとても高価なので停電の時にしか使わないのなら、もったいないのではと思う人もいるでしょう。
ところが平常時にもちゃんと仕事をしているのです。蓄電池の電気を
電力ピーク時間帯に放電
することにより、建物全体の環境負荷低減に寄与するしくみになっています。
平常時もちゃんと仕事をしているわけですね。