日建設計とグラフィソフトが提携!ArchiCADに日建のノウハウを注入
2013年11月22日

管理人のイエイリです。

数年前は欧米に後れていた感もあった日本のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用ですが、このところ急速にレベルアップし、世界からも一目置かれることも出てきています。

そんななか、驚くべきニュースが飛び込んできました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

日建設計とグラフィソフト

 

が戦略的パートナーシップを締結し、昨日(11/21)、ハンガリー大使館でビクター・オルバーン首相立ち会いのもと、調印式が行われたのです。

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戦略的パートナーシップの締結を発表する両社の首脳陣。右からグラフィソフトジャパン代表取締役のコバーチ・ベンツェ氏、ハンガリー・グラフィソフト本社のCEO、ビクター・バルコニー氏、日建設計代表取締役の岡本慶一氏、同執行役員の山梨知彦氏(写真:家入龍太。以下同じ)

この提携は、グラフィソフトのBIMソフト「ArchiCAD」に日建設計の設計ノウハウを“注入”し、日本の設計実務で使いやすくするのが狙いです。

グラフィソフトは今後、数年間にわたり社員を日建設計に派遣し、まずは日建設計での設計プロセスを十分に理解します。

そして設計実務でのニーズを、ハンガリー本社の開発作業に反映させ、ArchiCADの機能を改善していきます。この作業のために両社は4人ずつからなるチームを編成します。

日建設計の山梨知彦執行役員は、「形式知としてのニーズはこれまでも天井伏図ツールや自由に断面を切れる機能などとして、ArchiCADに反映されてきた。今回の提携では“暗黙知”のノウハウをArchiCADに投入できるようにしたい」と説明しました。

世界的に販売されているArchiCADが、日建設計を戦略的パートナーとして選んだ理由は、日本の建築設計は世界的に見て最も詳細だからです。日本のニーズを満たす製品は、世界中どこでも受け入れられるというわけですね。

例えば、ArchiCADには以前、日本独特の「通り芯」の機能が付いていませんでした。そこで日本版だけにこの機能を搭載したところ、他の国でも好評で、今やArchiCAD標準機能となっています。

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日建設計のBIM活用について説明する山梨氏

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日建設計が設計を手がけたホキ美術館(資料:日建設計)
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意匠、構造、設備を統合したBIMモデル(資料:日建設計)
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記者会見には多くの報道関係者が集まった

ところで、日建設計は今話題の新国立競技場の「フレームワーク設計業務」を梓設計、日本設計、オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッドとともに手がけています。

BIM活用を得意とする設計会社のJVだけに、この業務にどのくらいBIMを使っているのかが気になるところですね。

そこで、記者会見の最後にこの件を質問してみたところ、「守秘義務のため内容については語れない」(山梨氏)ということでした。

しかし、これに続けて、

 

「見てのお楽しみ」

 

という、サービスコメントもありましたので、かなり期待できそうな感じもありましたよ。

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