管理人のイエイリです。
日本の下水道普及率は2013年3月末時点で約76%となり、下水道管路の延長は約45万kmと地球から月までの距離(約38万km)を大幅に上回っています。
一方、約1万kmが下水道の耐用年数とされる50年を経過しているため、老朽化対策として下水道管路の調査や改修は待ったなしの状態です。
そこで、日本下水道事業団と日本電気は共同で、千葉県船橋市の下水道管路を対象に管路マネジメントシステムのフィールドテスト(PDF)を行っています。
その主役となるのが高い走行性能を持った調査ロボットです。ロボットに搭載されているカメラの映像を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
画像解析によって
不具合個所を効率的に見つけることができるのです。
現在の下水道管路調査は、ロボットで撮影した画像を作業員が目視で確認し、不具合個所を見つけるという方式がとられています。また、ロボットの長距離走行が難しいため、1日の調査は200~300mが一般的でした。
その点、今回の調査ロボットは小型・低消費電力のCPUを採用し、ロボット内部の情報処理を省エネ化するとともに、内蔵バッテリーで長時間駆動を可能にしました。
こうした改良により、調査できる距離は、
1日1000mを目標
にするほど、延びたのです。
調査ロボットは全長約120cm、高さ約15cmで重さは約30kgです。速さは標準で毎分10mとスピーディー。ゲームパッドを使って、簡単に操縦できます。
私が感心したもう一つのことは、地上と調査ロボットをつなぐケーブルの強靭(きょうじん)化です。従来のケーブルより細いにもかかわらず、数百キログラムの荷重に耐えることができるのです。
ロボットが障害物にひっかかったり、ケーブルが下水管路内にはみ出した木の枝にからんだりしたときも、ケーブルの破断を恐れずに思いっきり引っ張れるので安心ですね。現場での実用性をよく考えた調査ロボットと感心しました。