コンクリート内の鉄筋を透視! 前田建設工業がARシステムをテスト中
2014年4月11日

管理人のイエイリです。

建設現場では、コンクリート壁にスリーブ用の穴を開けたり、アンカーを打ったりするときに、内部の鉄筋やパイプの位置が正確にわかるとありがたいですね。

先日、前田建設工業の土木事業本部にある取材でうかがったとき、このニーズに応えておもしろいシステムをテストしていました。

鉄筋コンクリートのブロックとiPadを取り出した前田建設工業土木事業本部土木設計部の工藤敏邦リーダー(写真:家入龍太。以下同じ)

鉄筋コンクリートのブロックとiPadを取り出した前田建設工業土木事業本部土木設計部の工藤敏邦リーダー(写真:家入龍太。以下同じ)

iPadをコンクリートのブロックにかざすだけで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

内部の鉄筋が見える

 

のです。

タブレット端末をコンクリートブロックにかざすだけで内部の鉄筋などが一目瞭然

タブレット端末をコンクリートブロックにかざすだけで内部の鉄筋などが一目瞭然

コンクリートブロック(左)と内部の鉄筋配置の模型(右)

コンクリートブロック(左)と内部の鉄筋配置の模型(右)

これは、拡張現実感(AR)によって、鉄筋などの3Dモデルを実物のコンクリートブロックに重ねて表示させるシステムです。iPadの位置や視覚を移動させると、ブロックにぴったり重なるように鉄筋もスムーズに追随します。

一般のARでは、「ターゲット」という目印を現実の空間と3Dモデルの中に置き、これを手がかりに現実空間と3Dモデルの位置合わせを行います。

一般的なARの仕組み

一般的なARの仕組み

しかし、このコンクリートブロックには見たところ、ターゲットらしきものは見当たりません。

なぜ、ターゲットのシールがないのにこんなにスムーズなARが実現したかというと、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

コンクリートの切断面

 

自体がターゲットの役割を果たしていたのです。

粗骨材の切断面が作るランダムな模様がターゲットの役割を果たしていた

粗骨材の切断面が作るランダムな模様がターゲットの役割を果たしていた

このARシステムには、コンクリート周囲の切断面がすべてターゲットとして登録されており、どの面から見ても鉄筋が見えるようになっています。

コンクリートのランダムな模様をターゲットとして使うアイデアには感心してしまいました。

ちなみにこのARは大日本印刷の技術で開発したとのことです。

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