昼休みレンダリング機能も!オートデスクが新バージョンBIM/CIMソフトを発表
2014年4月10日

管理人のイエイリです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)のソフトは、華々しい機能開発の段階から、いかに設計や施工の生産性を高めていくかということに開発の焦点が移ってきました。

オートデスクは4月8日、BIM/CIMソフトの新バージョンを発表しました。その機能改善のポイントも、従来の派手な機能に比べて地味な印象はありますが、確実に生産性向上へのシフトが感じられます。

まずはBIMソフト「Revit」の陰線表示機能です。BIMモデルをCGで見たときに、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

床や天井の裏

 

にある梁や柱などが破線で表示させる機能なのです。

階と階の間にある部材の位置関係は、これまで分かりにくかったですが、この機能を使うことで効率的に位置関係を把握できます。日本のユーザーからの要望で実現した機能とのことです。

床の裏にある梁などが見えるRevitの「陰線表示機能」(資料:オートデスク。以下同じ)

床の裏にある梁などが見えるRevitの「陰線表示機能」(資料:オートデスク。以下同じ)

Revitにはこのほか、3Dモデルの表示時に線を手描き風にアレンジする機能や、駆体コンクリートへのモチアミ配筋機能、筋交いの起点や構造フレームの要素をずらす機能など、実務の効率を上げる機能が追加されました。

手描き風の線でCGをアレンジする機能

手描き風の線でCGをアレンジする機能

Navisworksは点群とBIMモデルとの干渉チェックを行ったとき、干渉があるとこれまでは点群全体の色が変わり、どこが干渉しているのかがよく分かりませんでした。今回のバージョンアップでは、点群の干渉個所にマークが表示されるようになりました。
このほか数量計算機能が強化され、2Dによるポリラインを使った面積計算や、3D画面上で選択ツリーからドラッグアンドドロップによる複数項目の数量拾いができるようになりました。

Navisworksに追加された点群との干渉個所表示機能

Navisworksに追加された点群との干渉個所表示機能

CIM用の大規模な3Dモデルを作るInfraWorksは、直感的なインターフェースを採用して、ワークスペースを全画面に表示したり、コマンドメニューを必要なときだけに表示したりする機能を追加して操作性を向上させました。

InfraWorksの画面例

InfraWorksの画面例

今回のバージョンアップで面白いと思ったのは、Navisworksのレンダリング機能です。これまではレンダリングの画質を設定するとき、解像度やクオリティーを基準にしていました。そのため、レンダリング時間の見積もりには経験と勘が必要でした。
そこで、今回は

 

処理時間を基準

 

にして、レンダリングの画質を設定できるようにしたのです。

例えば、夜にセットして翌日の朝までに仕上げてほしい場合は「オーバーナイト・レンダリング」、昼休みの間に仕上げてほしいときは「ランチ・レンダリング」、そしてちょっとした休憩時間に仕上げてほしい場合は「コーヒーブレーク・レンダリングをそれぞれ選べば、時間内に最大限のクオリティーでレンダリングしてくれるというわけです。

処理時間で設定できるようになったレンダリング機能

処理時間で設定できるようになったレンダリング機能

こうしたちょっとした工夫が、設計効率を上げそうですね。BIM/CIMソフトも設計・施工現場のニーズに密着した“顧客志向”で勝負する時代になってきました。

4月ユ日、オートデスク本社で開催された記者発表会

4月ユ日、オートデスク本社で開催された記者発表会

【訂正】
初出時にInfraWorksの画面例のキャプションが間違っておりました。また、時間によるレンダリング画質の設定は、Revitではなく、Navisworksの機能でした。訂正いたします。(2014年4月10日、12:00)

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