管理人のイエイリです。
6月23日~25日(米国時間。以下同じ)まで、米国フロリダ州のオーランドで開催されている建設ITの国際会議「ICCCBE 2014」には、十数人の日本人が参加しています。
中でも、目立っているのは関西の中小企業の活躍です。6月23日は大阪市西区の建設コンサルタント、アスコの営業企画部長、楠本博氏がUAV(無人機)を使った、災害地における測量の効率化について発表しました。
UAVで撮影した航空写真を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
JACICのPhotog-CAD
で処理することにより、作業効率を大幅にアップさせたというものです。
Photog-CADはJACIC(日本建設情報総合センター)が開発した災害復旧効率化支援システムで、1ライセンス15万円(税別)と低価格なのが特徴です。
崩壊した斜面などの写真を撮るとき、低い視点からだと見通せない死角があったり、撮影に時間がかかったりしますが、UAVを使うことでこれらの問題点を解決しました。
翌6月25日は、大阪府箕面市の測量会社、関西工事測量がトータルステーションを使ったコンクリートのひび割れ計測システム「KUMONOS」について発表しました。
トータルステーションにひび割れ幅の読み取りに使う「クラックスケール」を内蔵させることにより、コンクリート壁から離れたところからひび割れ幅と形状を計測し、パソコン上に自動描画するという便利なシステムです。
この発表も、力が入っていました。あの重たい
トータルステーションと三脚
を会場に持参し、壁に張ったひび割れを模した紙を実際に読み取って、その性能を実証したのです。
発表前の休憩時間から会場に三脚とトータルステーションを設置し、各座席にKUMONOSの資料を配るなど、準備にもすきがありませんでした。
発表後にはすかさず聴講席から英語で質問が飛んできました。英語にハンディキャップのある日本人にとっては脅威です。
中庭氏が質問内容の理解に戸惑っているとき、さっと立ち上がり、助け船を出したのが共同研究者でもある大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻の矢吹信喜教授です。ひび割れの深さがわかるのかという質問に対し、ひび割れ幅の計測システムであるということをクールに回答していました。
このほか、NEXCO西日本からセントラルフロリダ大学の博士課程に留学している日浅崇平氏が赤外線カメラでコンクリートの浮きを発見するための実証実験について発表したほか、関西大学環境都市工学部の窪田諭准教授がオープンソースのWEB
GISによる災害情報の共有システムについて発表し、注目を集めていました。
多少、英語が苦手でも、独自の建設ITに関する研究成果をひっさげて、国際会議で積極的に発表する姿勢に、関西パワーの奥深さを感じた次第です。