管理人のイエイリです。
バーチャルリアリティー(VR)ソフト「UC-win/Road」や土木設計ソフトなどで知られるフォーラムエイトには、「World 16」という技術開発を担う独自の国際組織があります。
世界の大学から、様々な専門分野を持つ研究者16人を選び、同社のVRソフトの用途開発などを研究する組織で、アリゾナ州立大学の小林佳弘准教授がリーダーを務めています。
この「World 16」の夏季合宿ともいうべき「国際VRシンポジウム 第5回サマーワークショップ イン ハワイ」が、7月7日~11日まで、ハワイで開催されています。8日には研究成果を発表する講演会が開かれました。
海外の研究者が多いだけあって、VRに関連する研究といってもアプローチは様々です。例えば、バージニア工科大学のトマス・タッカー(Thomas Tucker)准教授は、中国の山東大学との共同研究で
ナ、ナ、ナ、ナント、
コウモリの洞窟をVR化
したことを発表しました。
数千匹ものコウモリが住む洞窟の内部を、3Dレーザースキャナーで計測し、1つの点群データを作りました。そのデータをVRソフト「UC-win/Road」に取り込んだのです。
タッカー准教授の研究は、さらにコウモリの動きにまで及びます。コウモリの羽根に多数のマーカーを取り付け、モーションキャプチャーという方法で動きを計測しました。
そしてコウモリの顔にマーキングを施し、3台の高速度カメラと8台の圧力マイクロホンを使って、コウモリの顔の動きまでもモーションキャプチャーで計測するという念の入れようです。
さらに極めつけは、コウモリの全身を、
マイクロCTスキャン
にかけて、骨格の3Dモデルまで作ってしまったのです。
モーションキャプチャーと骨格の3Dモデルから、コウモリがどう動くのかがよくわかりますね。
今後、VRソフトで洞窟の3Dモデルとコウモリの動きを組み合わせると、コウモリの動きのメカニズムがさらに解明できそうですね。
当初は道路設計用に開発されたUC-win/Roadが、コウモリの生態研究まで使われているとは驚きました。