クリックだけで転圧完了!大成建設の画期的な無人化施工システム
2014年7月15日

管理人のイエイリです。

雲仙普賢岳の復旧工事など、人が立ち入ると危険な現場では無人化施工システムが使われます。

これまでの無人化施工システムは、重機や周辺の様子を複数の動画カメラで撮影し、オペレーターはその映像をモニターで見ながら、操縦かんを握って操作する「遠隔操作方式」によって作業していました。

重機の一挙手一投足をすべてオペレーターが指示するので、オペレーターには熟練が求められ映像を送るためのカメラ専用車や高速通信網も必要でした。

こうした問題を解決しようと、大成建設は次世代の無人化施工システムを開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

重機自身が判断して作業

 

する「自律方式」の無人化施工なのです。

無人化施工システムの実証実験に使用した11t級振動ローラー(写真・資料:大成建設。以下同じ)

無人化施工システムの実証実験に使用した11t級振動ローラー(写真・資料:大成建設。以下同じ)

指定された範囲を自律的に転圧する振動ローラー

指定された範囲を自律的に転圧する振動ローラー

今回の実証実験では11t級の振動ローラーを使用し、転圧作業を行いました。

オペレーターは転圧する範囲と回数、ローラーが重複する幅といった作業の目標を専用プログラムが入ったパソコンで入力し、スタートボタンを押しました。

すると振動ローラーは搭載したセンサーで自分の位置や姿勢、速度、周辺状況などを把握しながら、自律的に転圧作業を開始し、作業後は所定の位置に戻り、オペレーターに作業完了を知らせて停止しました。

オペレーターの作業はずっと楽になりますね。

次世代無人化施工システムの作業手順とイメージ

次世代無人化施工システムの作業手順とイメージ

熟練オペレーターに比べての施工品質も上々でした。未転圧を防ぐために設定された転圧の重複幅は、従来の遠隔操作と

 

同等の50cm以下

 

と、走行精度の高さも実証されたとのことです。

この開発は、2012年度から2014年度にかけて継続採択されている国土交通省建設技術研究開発助成制度によって行っています。

自律方式の無人化施工システムがブルドーザーにも搭載されれば、ボタン一つでちょっとした土工は自動的にできてしまいそうですね。さらにバックホーやダンプに適用が広がると、造成工事を丸ごとクリック一つで行えるようになるかもしれません。

未来の現場につながる画期的な実証実験と言えそうです。

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