管理人のイエイリです。
施工の最前線で鉄筋工事を担う鉄筋屋さんの世界では、現場での実際の施工に忠実な数量をはじき出し、積算を行うための超詳細なソフトの3D化が進んできました。
例えば、富山市のアーキテックが開発した鉄筋積算システム「鉄之助ソリッド」は、以前、2D版のソフトとして開発されてきた鉄筋の積算ソフトが、3D化されてできたものです。3D化された当時の状況は当ブログ、2011年7月7日付けの記事で紹介しました。
「鉄之助ソリッド」は、3Dによる鉄筋の干渉チェック機能やウオークスルー機能など、一見、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトのような機能を搭載していますが、これまでBIMソフトとのデータ交換は簡単ではありませんでした。
このソフトが今年7月22日、ついにBIMソフトとのデータ交換が可能になりました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
ST-Bridge形式を読み込む
機能が搭載されたのです。
「ST-Bridge」とは、BIM用のデータ交換標準「IFC」を開発しているIAI日本が策定した、構造用のデータ交換フォーマットです。
コンバーターを通じてIFC形式とのデータ交換が可能なため、IFCとST-Bridgeを経由することにより、構造設計ソフトやBIMソフトのモデルデータを「鉄之助ソリッド」に読み込み、鉄筋工事用の詳細な配筋検討や見積もりなどが可能になります。
つまり、企画設計段階から実施設計、施工段階へと詳細化が進むBIMソフトと、現場最前線の鉄筋屋さんのために開発されてきた鉄筋見積もりソフトが、ST-Bridgeによりついに連結したといわけですね。
さらに今回のバージョンアップでは、
図面の作成機能も進化
しました。
納まり図がほしい柱をしているするだけで「柱梁配筋検討図」を自動的に作ったり、平面状態の柱・梁の配筋検討図を自動作成してくれたりするのです。
このほか、断面範囲を自由に動かしてほしい断面図を作る機能も搭載されました。
「鉄之助ソリッド」は、もともと日本の工事現場のニーズに沿って開発されたソフトです。それがST-Bridgeのデータ読み込み機能を備えたことで、BIMソフトの仲間入りをしたことになります。
日本のBIMも着々と独自の進化が進んでいるようですね。