管理人のイエイリです。
最近、実物大の家を造れるような巨大3Dプリンターが米国、イタリア、中国、スロベニアなどで話題になっていますが、米国ミネソタ州でまた、新たな巨大3Dプリンターが登場しました。
その大きさは、「クルマ2台が置けるガレージ」に納まるくらいのもので、「3Dハウス・コンクリート・プリンター(3D House Concrete Printer)」と呼ばれています。アンドレー・ルーデンコ(Andrey Rudenko)さんが開発しています。
この巨大プリンターでルーデンコさんが造ったのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
住宅サイズのお城
なのです。
3Dプリンター全体の形や構造は明らかになっていませんが、コンクリートのような材料をXYZ方向に移動するノズルから吹き出しながら高さ数センチずつ材料を積み重ねて、外壁やパーツ類を造形していく仕組みです。
二重壁が壊れないように、造形中に断面に鉄筋を置き、その上に造形していくという方法を採用しています。
この3Dプリンターの制御にはCNC(コンピューター数値制御)の工作機械で用いられている「Gコード」を使っています。
3Dプリンターで開口部など、下が中空になった部分を造形する場合は「サポート材」を入れますが、この3Dプリンターは開口部の上に板材を置いて、その上にコンクリート材料を積み重ねていくという方法で解決しています。
また、少しくらい上が広がった形であれば、サポート材を使わずに造形できます。
3Dプリンターで作った実物の建物で問題となるのは強度です。鉄筋が入りにくいとか、造形に使う材料の強度に問題あるといったことですが、既にルーデンコさんは解決の道を見つけています。
というのは、この3Dプリンターを使って造形するのは、
打ち込み型枠
や保温材と、ターゲットを定めているからです。
打ち込み型枠をこの3Dプリンターで作り、中に鉄筋や配管、電線などを収納し、強度がしっかりしたコンクリート材を打設する、というわけです。
すると使い捨ての型枠などを使わなくてもすむので、材料も節約でき、自由な形の建物を効率的に造れそうですね。
ルーデンコさんは建築士やデザイナー、建設会社、学生など、この技術に興味を持つ全世界の人々とコラボレーションしたいとのことです。興味のある方はウェブサイトから連絡してみてはいかがでしょうか。