“ワイヤレス電車”が日本初の有人走行!大成建設と豊橋技科大が開発
2014年10月3日

管理人のイエイリです。

工場や卸売市場などで部品や商品の運搬に活躍する電動カートは、排ガスを出さないというメリットはありますが、バッテリーで走行するため走行距離が短く、充電に時間がかかり、価格が高いといった課題がありました。

そこで大成建設と豊橋技術科学大学は、電車のように外部から電力を供給してまるで“電車”のように走行できる電動カートの開発に成功しました。

電車というと、天井に架線が張ってあり、床にはレールがあるのかと思ってしまいますが、電力の供給には、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

電化フロア

 

という新しい給電装置を使っているのです。

豊橋技科大が進めてきたワイヤレス給電式電気自動車の開発に大成建設が加わり、電動カートに電線を使わずに給電できる電化フロアを開発に成功しました。

そして日本では初めて、有人の電動カートにワイヤレス給電することに成功したのです。

電化フロアを使った電動カートの仕組み(資料・写真:大成建設、豊橋技術科学大学。以下同じ)

電化フロアを使った電動カートの仕組み(資料・写真:大成建設、豊橋技術科学大学。以下同じ)

電化フロアの試作品

電化フロアの試作品

電化フロアはコンクリート系やアスファルト系の床材、電極線路、金属箔(はく)などの部材を組み合わせて作ります。

電化フロアの試作品の写真を見ると、左右の床材を分けるスリットはあるものの、床材は普通っぽい材質で電動カートの車輪もゴムです。

いったい、どうやって電気をカートに供給するのかと不思議ですね。そこはさすがに、豊橋技術大学、目の付けどころが違います。

タイヤに使われるゴムは通常は絶縁体と見なされていますが、

 

高周波電力はゴムを流れる

 

のです。

ただ、高周波電力を利用するためには電極線路の安全性や効率に課題がありました。

そこで大成建設と豊橋技科大は共同で電動カートや建物床材、高周波電源装置を一体的に開発し、電動カートに効率的に電力エネルギーを送ることが可能になったのです。

バッテリーや充電が不要になるだけでなく、連続走行が可能になります。また、電化フロアは一般の建築部材で作れるため安価で簡単に設置できます。電化フロアは新築だけでなく、既存建物の床上にも施工できるというメリットもあります。

今後、大成建設と豊橋技科大は産施設や物流施設など、屋内で利用する電動搬送システムとしてこの技術を積極的に提案していく予定です。なお、10月7日~11日まで千葉・幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2014」にも、このシステムを出展するそうです。

生産施設などでの活用イメージ

生産施設などでの活用イメージ

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