管理人のイエイリです。
ラティス・テクノロジーが開発した「XVL」というデータ形式は、一般的に重い3Dモデルデータを非常に軽く扱えるのが特徴です。
建設業では福井コンピュータアーキテクトのBIMソフト「GLOOBE」などが対応しており、タブレット端末でBIMモデルを参照するのに使えます。
これまでXVLは3次元CADで作成した3Dモデル、いわばバーチャルなものを扱うものでしたが、10月20日にラティス・テクノロジーが発売する新製品「XVL InfiPoints」は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
点群データとXVLを統合
し、干渉チェックなどが行えるようになったのです。
点群データとは、毎秒数万~数十万回、レーザー光線をショットガンのように発射する3Dレーザースキャナーという測量機器で、建物や工場などの3D形状を計測したデータです。
点群データには計測中に通りがかった人の影が写ったりと「ノイズ」が発生したり、複数の地点で計測した点群データを位置合わせして合体させたりといった手間もありますが、エリジオン(本社:静岡県浜松市)の「InfiPoints」という点群処理ソフトの機能が含まれています。
いわば、BIMモデルなどの「バーチャル」な世界と、点群データという「リアル」な世界を、XVLを使って合体させることが可能になったわけですね。
3Dモデルと点群の間の距離を測定したり、点群データや3Dモデルから断レンズを作成したり、バーチャルとリアルを組み合わせた様々な検討が行えます。
また、点群と3Dモデルで動的/静的な干渉チェックも行えますので、資機材を建物内に搬入するときに障害物がないかどうかを確認するのにも使えます。
「XVL-InfiPoints」の用途としては、既存の構造物と新設の機器の位置関係が重要となる
エレベーターの改修工事
や、機械室のボイラーや冷凍機の交換工事などが想定されています。
「XVL InfiPoints」の気になるお値段ですが、本体が500万円(税別)、年間保守料が100万円(同)とのことです。建設業のユーザーにとっては、やや高いかもしれませんが、XVLを使い慣れた自動車会社などの工場リニューアルを手がける場合などには、施主とのスムーズなデータ連携ができそうですね。