管理人のイエイリです。
全世界のオートデスク製品ユーザーを対象とした巨大イベント、「Autodesk University 2014」(以下、AU)が12月2日(現地時間)、開幕しました。
2年前から測量機器大手のトプコンとの提携を発表するなど、オートデスクのソフトやシステムと、測量機器などのハードとの連携が、大きなテーマになりつつあります。
そのためか、今回は開催前の事前登録で参加者数がついに1万人を超え、AU史上最大の規模になったとのことです。
当日、ソフトとハードの連携について、またまた大きな発表が行われました。3Dプリンター業界の技術革新のため、米オートデスク社は
ナ、ナ、ナ、ナント、
米ヒューレット・パッカード社
と協業することになったというのです。
米オートデスク社は3Dプリンターのオープンソフト規格(プラットフォーム)「Spark」と光造形方式の3Dプリンター「エンバー(Ember)」を開発中です。
その特徴は高精度なこと。カールバス氏は基調講演で「Emberの造形解像度は数十ミクロンレベル」と胸を張りました。
一方、米ヒューレット・パッカード社は、「HPマルチジェット・フュージョン(HP Multi Jet Fusion)」という同社の技術を生かした3Dプリンターを独自に開発中です。
同社のインクジェットプリンター技術により造形部分ごとに色や材料の硬さ、電気伝導率などの物質特性を変えたり、大判プリンターの技術を生かして約1mの幅までを一気に造形したりできるのが特徴です。
今回の協業で、米オートデスク社の「Spark」と、米ヒューレット・パッカード社の「Multi Jet Fusion」が統合され、両社は3Dプリンター関連技術の革新的な向上を目指すことになります。
カール・バス氏は基調講演の中で「現在の3Dプリンターは、最初のパソコンや最初の携帯電話と同じようなものだ。造形スピードが遅すぎる、材料が限られており高すぎる、そして造形過程が信頼できない、ということだ」と語りました。
そして「オートデスクは、3Dプリンターにまつわるこうした不便をすべて変えていこうとしている。その第1弾がSparkだ」と説明しました。
米オートデスク社は、開発中の3Dプリンター「Ember」をユーザーとともに改良していくそうです。そのため、「Ember開発プログラム」を立ち上げ、同社のウェブサイトで参加メンバーを募っています。
このプログラムに参加すると、Emberの本体や材料、仕上げキット、技術サポートやイベント参加などを含んだEmberを
一式、5995ドルで購入
できるそうです。
そして、同社の技術サポートと直接、コンタクトして製品改良についての意見や返事を直接的にやりとりし、最終製品に反映させることができます。
当ブログで11月5日に掲載した記事の最後に、「両社(オートデスクとヒューレット・パッカード)がどのようなコラボを行っているのかが気になりますね」と書いたのですが、それがAU開催中に現実のものとなって発表されたのには驚きました。