英語で笑いも取った!NTTファシ、竹中工務店がAU2014で堂々講演
2014年12月9日

管理人のイエイリです。

米国・ラスベガスで開催された「Autodesk University 2014」(以下、AU)では、日本のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用についての発表も注目を集めました。

12月4日(米国時間)にNTTファシリティーズと竹中工務店によって行われた「BIMとFMの融合で建物オーナーがライフサイクルコストを20%節約する方法(How
to reduce 20% Life Cycle Costs for owners by integrating BIM with facility
management)」もその1つです。

12月4日にラスベガスで行われた講演(写真:家入龍太。以下同じ)

12月4日にラスベガスで行われた講演(写真:家入龍太。以下同じ)

会場には、約80人もの受講者が詰めかけました。英語はもちろん、英語です。

講演を行ったのは、NTTファシリティーズの宮川耕治さんと竹中工務店の森元一さんです。

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ノートパソコンを片手に講演したNTTファシリティーズの宮川耕治さん(左)と竹中工務店の森元一さん(右)

初めは緊張していた2人ですが、講演が始まると見事にマイペースな流れに。

例えば、森さんが自己紹介で「竹中工務店の歴史は米国より長い」と言うと、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

会場はどっと笑いに包まれる

 

など、数回の笑いを英語で取っていました。

講演の内容は、NTTファシリティーズの研究開発施設の設計、施工、維持管理にBIMをどう、効果的に活用したかというものでした。

細かい部材まで詳細に干渉チェックを行い、設計段階で施工性を徹底確認する竹中工務店の「バーチャル竣工」や、「バーチャル引き渡し」によってプロジェクトの早期に詳細な設計を固めることによって、ライフサイクルコストを引き下げるという話です。

コストに直結したBIM活用には関心が高く、ほとんどの人が最後まで退席せず、2人の話に引き込まれてしました。

バーチャル竣工の詳細なBIMモデル

バーチャル竣工の詳細なBIMモデル

バーチャル竣工とバーチャル引き渡しのフロー

バーチャル竣工とバーチャル引き渡しのフロー

設計、施工段階からBIMを活用し、維持管理でも活用することで(1)手戻り防止などによる建設コスト削減、(2)事前の解析とバリューエンジニアリング、(3)
維持管理システム構築のコストダウン、(4)運用・維持管理コストの低減、によって約20%のコスト削減が可能になることを説明しました。

ライフサイクルコスト低減の内訳

ライフサイクルコスト低減の内訳

 

従来の維持管理(赤線)に比べて、BIMによるバーチャル引き渡し(青線)を行った場合は、5~6年目あたりでライフサイクルコストが有利になる

従来の維持管理(赤線)に比べて、BIMによるバーチャル引き渡し(青線)を行った場合は、5~6年目あたりでライフサイクルコストが有利になる

講演が終わると、大きな拍手が巻き起こりました。そして会場からは講演時間いっぱいまで質問が相次ぎました。

「コストダウン効果には、省エネ分は含まれているのか」という質問に対しては、「省エネ分は含まれていない」と回答。そのため、BIMによる省エネ効果で

 

さらにコストダウン可能

 

という回答に、受講者は感心したようでした。

今や、日本のBIM活用は、米国など海外からも注目される時代になりました。

NTTファシリティーズと竹中工務店による講演を聴いて、日本の現場での成果を、英語で海外に向けて発信していくことの重要性を再認識した次第です。

講演後の受講者との談笑風景。手前はBIMの技術コンサルタントを務めたオートデスクの正光俊夫さん

講演後の受講者との談笑風景。手前はBIMの技術コンサルタントを務めたオートデスクの正光俊夫さん

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