世界初の実用機を!スカンスカが英大学と巨大3Dプリンターを共同開発
2015年1月21日

管理人のイエイリです。

ここ2~3年、3Dプリンターが急速に普及していますが、実物の建物を造る“建機”としての巨大3Dプリンターの開発にも拍車がかかってきました。

スウェーデンを本拠とする世界的な建設会社、スカンスカ社(Skanska)は ナ、ナ、ナ、ナント、

 

世界初の実用マシン

 

となる「3Dコンクリート・プリンター」を開発するため、英国のラフバラ大学(Loughborough University)と提携したことを昨年11月に発表しました。

ラフバラ大学の開発チーム。左からサイモン・オースチン(Simon Austin)、ロブ・フランシス(Rob Francis), スティーブ・ロスバーグ(Steve Rothberg)教授、リチャード・バスウェル博士(Richard Buswell)(以下の写真:Loughborough University)

ラフバラ大学の開発チーム。左からサイモン・オースチン(Simon Austin)、ロブ・フランシス(Rob Francis), スティーブ・ロスバーグ(Steve Rothberg)教授、リチャード・バスウェル博士(Richard Buswell)(以下の写真:Loughborough University)

3Dコンクリート・プリンターで造られた部材

3Dコンクリート・プリンターで造られた部材

ラフバラ大学の土木・建築工学科では2007年から建設分野向けの3Dコンクリート・プリンター技術の開発に取り組んできました。

同大学の開発チームは、門形クレーンやロボットアームに取り付けられる3Dコンクリート・プリンターを既に開発済みで、現在は第2世代のプリンターに進化しています。

この3Dコンクリート・プリンターは、ハイパフォーマンス・コンクリートをコンピューター制御で、下から層状に高精度に積み上げていくものです。

コンクリートを高精度で積み上げるノズル部

コンクリートを高精度で積み上げるノズル部

造形させた部材の断面には鉄筋などの補強材を通す穴も

造形させた部材の断面には鉄筋などの補強材を通す穴も

設備用の配管が組み込まれた部材の断面

設備用の配管が組み込まれた部材の断面

複雑な構造部材や曲面の外装材など、従来の建設プロセスでは造れなかった形状を造ることができます。 今回の提携では、18カ月の初期開発段階で世界初の実用的なコンクリート・プリンターロボットを開発することを目指しています。

スカンスカのほか、フェスター・アンド・パートナーズ(Foster and Partners)、ブチャン・コンクリート(Buchan Concrete) ABB、ラファージ・ターマック(Lafarge Tarmac)といった有力企業も開発に参加しています。

今回の開発プロジェクトの結果として、スカンスカが狙っているのは、新技術によって新しいビジネスチャンスを開くとともに、3Dプリンターによるサプライ・チェーン(物流システム)を構築することです。

スカンスカのイノベーション・ビジネス改善責任者のロブ・フランシス(Rob Francis)氏は「3Dコンクリート・プリンター技術が移動式プレハブ工場と組み合わさると、複雑な建物部材の製作に要する時間が これまでの

 

数週間から数時間へと短縮

 

できる可能性がある」と語っています。 そして「かつての建設業界ではなかったような品質と効率を達成することを期待している」(同)とのことです。

数年後は3Dコンクリート・プリンターが建機として使われている現場も出てきそうな勢いですね。建設分野における3Dプリンター技術の進化が楽しみです。

ラフバラ大学で開発中の3Dコンクリート・プリンターを紹介した動画

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