管理人のイエイリです。
オフィスや工場の内部、エレベーターの昇降路などの空間でBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使ってリニューアル工事の設計を行うとき、現場の形を3Dモデル化する必要があります。
現場にある配線や配管、建物躯体の凹凸などは、古い図面には正確に記載されていない場合もあるので、現場を3Dレーザースキャナーやトータルステーションなどで計測し、それをもとに3Dモデルを作るという手間がかかるのが現状です。
この作業を合理化しようと、三菱電機は「3次元モデル再構成技術」を開発しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
タブレットPCで現場を撮るだけ
で、現状の3Dモデルを作ることができる画期的な技術なのです。
その手順は、(1)タブレットPCで現場を撮影し面データを抽出する、(2)隣接部分を撮影して面データを利用して正確に接続する、(3)空間全体の3Dモデルを再構成する、というものです。
なぜ、1枚写真を撮っただけで面データを抽出できるのか不思議に思う方もおられるでしょう。
その秘密は、タブレットPCに
3次元センサー
を搭載していることです。
そのため、現場で撮影した写真は、既に奥行きのある点群データとなっており、ここから面データを自動的に抽出するのです。
面データ同士を接続するので、部屋角の位置なども高精度で出せそうですね。
三菱電機は1秒間に4画像を処理できる独自のソフトウエアを開発することにより、タブレットPC上で3Dモデルを高速に構築することに成功しました。
出来上がった3Dモデルは室内各部分の長さを測定したり、機器などを搬入するときに経路上で干渉しないかを確認したりするのに使うことを想定しています。
同社はこの技術を使って、エレベーター昇降路を対象にした3次元測定ツールを2018年度に製品化することを目指しています。
現場でどんどん現況の3Dモデルが作れるようになると、BIM活用もさらに現場最前線に普及していきそうですね。