管理人のイエイリです。
川田テクノシステムの「V-nas」といえば、国土交通省のCALS/EC政策の電子納品基準「SXF形式」に対応した国産2次元CADソフトとして知られています。
同社はV-nasの機能や操作性を受け継ぎ、3次元化した「V-nasClair」というソフトを発売していますが、最近、CALS対応ソフトからCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)ソフトへと進化してきました。
このソフトには、地形や道路線形、土木構造物などを3Dで設計するための様々なオプションソフトが用意されていますが、昨日(2月17日)に発売された「3D構造物オプション」は、橋桁を支える橋台や橋脚の3Dモデルを
ナ、ナ、ナ、ナント、
パラメトリックモデリング
でお手軽に作れる機能を持っているのです。
パラメトリックモデリングとは、構造物各部の長さや厚さ、角度などの数値を入力するだけで、3Dモデルを作ってくれる機能です。
例えば、橋台が盛り土と接するウイング部の3Dモデルは、ウイング部の左右端の長や垂直部の固さ、天端勾配など20個くらいの数値を入力するだけで、サクッと3Dモデルを作ることができます。
断面の形を描いて、垂直方向に引き延ばしたり、余計な部分を取り除いたりしながら3Dモデルを作る作業に比べれば、圧倒的に短時間ですみます。
3D構造物オプションでは、橋台や橋脚を基本的な形式から選び、これに基礎やパラペット、ウイング、橋脚断面などのタイプを選ぶと、数値入力の画面が出てきて、サクサクと3Dモデル化ができるのです。
道路構造物の3Dモデル作成で難しいのは、道路線形や地盤と構造物がスムーズにつながるようにする必要があることです。
その点、3D構造物オプションでは道路中心線や幅員線、路面標高にあわせて構造物の形を自動決定し、線形を考慮したモデルを作れます。
逆に構造物の位置を移動させると、道路中心線や地盤高などの拘束条件を考慮して、
ナ、ナ、ナント、
構造物の形や大きさを自動調整
してくれるのです。
このほか、3D空間内に配置した橋台や橋脚の3Dモデルから、フーチング4隅やウイングの座標計算書といった書類を自動的に作ってくれる機能もあります。
3Dモデルから自動的作成した座標計算書の例● |
これまで、土木構造物のCIMモデルは、まず図面を作ってから3D化する方が手っ取り早いという意見もありましたが、このソフトを使えば道路線形などからいきなり3Dモデルを作れるのが便利です。
国産CADベンダーのCIM製品は、今後もますますの進化と発展が期待できそうですね。
気になるお値段ですが、基本となるV-nasClairが1本29万8000円(税別。以下同じ)、3D構造物オプションは「スタンダードオプション」として年間レンタルで9万円(スタンドアロン)または18万円(ネットワークライセンス)となっています。