1日で3フロア!中国の遠大集団が57階建てビルを19日で施工
2015年3月20日

管理人のイエイリです。

中国の遠大集団(Broad Group)と言えば、プレハブ工法を駆使してビルを超高速で建設する技術で知られています。

2010年に開催された上海万博で5階建ての自社パビリオンを24時間で施工したことが、建設業界で有名になるきっかけでした。

同年には中国湖南省の長沙市で15階建ての「アークホテル」を6日間で施工し、2012年初頭には30階建てのビルを15日で施工したビデオが話題になりました。

そして、今回、その記録がまたまた更新されました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

57階建てビルを19日間

 

で施工してしまったのです。

施工開始から438時間(18.25日)後の57階建てビル(以下の資料:遠大集団)

施工開始から438時間(18.25日)後の57階建てビル(以下の資料:遠大集団)

つまり、1日で3フロア分も施工するという驚異のスピードです。いったい、どのようにこの驚異の記録を打ち立てたのかを、同社が公開しているビデオで見てみましょう。

まずは基礎工事です。これは事前に現場で施工しておきます。同時に湖南省長沙市にある同社の工場では、配管や電線、照明などを備えたフロア部材が着々と作られていきます。

現場での基礎工事

現場での基礎工事

湖南省長沙市にある遠大集団の工場。右下のビルが6日間で施工された15階建てビルと思われます

湖南省長沙市にある遠大集団の工場。右下のビルが6日間で施工された15階建てビルと思われます

フロア部材への空調ダクトの取り付け

フロア部材への空調ダクトの取り付け

工場内にストックされたフロア部材

工場内にストックされたフロア部材

そして部材が完成するといよいよ現場への搬入開始です。工場内ではフロア部材にその階の施工に必要な部材をセットして出荷。トレーラーに載せて現場に搬入していきます。

フロア部材の上にその階の施工に使う資材をセット

フロア部材の上にその階の施工に使う資材をセット

トレーラーで続々と現場に搬入

トレーラーで続々と現場に搬入

現場ではまず、鉄骨を先行してボルト締めで組み立て、続いてフロア部材を設置していきます。そしてサッシや外壁などを設置していきます。

鉄骨の建て込み作業

鉄骨の建て込み作業

現場に設置したフロア部材

現場に設置したフロア部材

施工開始24時間後

施工開始24時間後

63時間後

63時間後

241時間後

241時間後

325時間後

325時間後

 

そして438時間後には完成

そして438時間後には完成

 

高層ビルの施工スピードは、タワークレーンによる揚重能力によって大きく左右されますが、この現場ではナント、8基のタワークレーンが使われていました。

8基のクライミング式タワークレーンがフル稼働

8基のクライミング式タワークレーンがフル稼働

このビルは57階建てで床面積は18万m2、4000人が働くオフィススペースと800戸の住戸が入居するそうです。

もともと、このビルは

 

97階建てで計画

 

されていたそうですが、空港から9.5kmの距離にあるため、57階建てに縮小されたとのことです。

ネット上では耐震性などを心配する声もありますが、何はともあれ、これだけの施工スピードを実現したことは、驚異的な記録と言えるでしょう。

これを実現するためには、事前に徹底したフロントローディング(業務の前倒し)によって干渉問題を解決し、施工手順の検討を徹底的にやっておく必要がありそうです。

遠大集団のビデオには、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用したかどうかについては触れられていませんが、気になりますね。

遠大集団のプロモーションビデオはこちら

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