管理人のイエイリです。
中国の遠大集団(Broad Group)と言えば、プレハブ工法を駆使してビルを超高速で建設する技術で知られています。
2010年に開催された上海万博で5階建ての自社パビリオンを24時間で施工したことが、建設業界で有名になるきっかけでした。
同年には中国湖南省の長沙市で15階建ての「アークホテル」を6日間で施工し、2012年初頭には30階建てのビルを15日で施工したビデオが話題になりました。
そして、今回、その記録がまたまた更新されました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
57階建てビルを19日間
で施工してしまったのです。
つまり、1日で3フロア分も施工するという驚異のスピードです。いったい、どのようにこの驚異の記録を打ち立てたのかを、同社が公開しているビデオで見てみましょう。
まずは基礎工事です。これは事前に現場で施工しておきます。同時に湖南省長沙市にある同社の工場では、配管や電線、照明などを備えたフロア部材が着々と作られていきます。
そして部材が完成するといよいよ現場への搬入開始です。工場内ではフロア部材にその階の施工に必要な部材をセットして出荷。トレーラーに載せて現場に搬入していきます。
現場ではまず、鉄骨を先行してボルト締めで組み立て、続いてフロア部材を設置していきます。そしてサッシや外壁などを設置していきます。
高層ビルの施工スピードは、タワークレーンによる揚重能力によって大きく左右されますが、この現場ではナント、8基のタワークレーンが使われていました。
このビルは57階建てで床面積は18万m2、4000人が働くオフィススペースと800戸の住戸が入居するそうです。
もともと、このビルは
97階建てで計画
されていたそうですが、空港から9.5kmの距離にあるため、57階建てに縮小されたとのことです。
ネット上では耐震性などを心配する声もありますが、何はともあれ、これだけの施工スピードを実現したことは、驚異的な記録と言えるでしょう。
これを実現するためには、事前に徹底したフロントローディング(業務の前倒し)によって干渉問題を解決し、施工手順の検討を徹底的にやっておく必要がありそうです。
遠大集団のビデオには、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用したかどうかについては触れられていませんが、気になりますね。
遠大集団のプロモーションビデオはこちら。