人込みで倒れた人も発見!豊島区がNECの「群衆行動解析技術」を導入
2015年3月11日

管理人のイエイリです。

東日本大震災から今日で早くも4周年を迎えました。

震災当日、首都圏では帰宅困難者で町があふれました。この教訓を生かした防災の取り組みは今も続いています。

2011年3月11日の東日本大震災直後、帰宅困難者であふれる東京・池袋駅西口(写真:豊島区)

2011年3月11日の東日本大震災直後、帰宅困難者であふれる東京・池袋駅西口(写真:豊島区)

 

東京都の豊島区は、防災カメラで撮影された群衆の映像から混雑状況の把握や異変検知を行える総合防災システムの構築を行っており、今年6月に本格運用を開始する予定です。

防災カメラの映像から人間の目で異常を発見するのは大変ですが、このシステムでは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

混雑度や群衆の流れ

 

を自動的に解析し、“見える化”してくれるのです。

群衆行動解析システムの画面サンプル。混雑度や人の動きが見える化されている(以下の資料:NEC)

群衆行動解析システムの画面サンプル。混雑度や人の動きが見える化されている(以下の資料:NEC)

このシステムは、NECの画像認識技術をベースにした「群衆行動解析技術」を使ったものです。防災カメラの映像から混雑度や人の動きを高精度に解析し、異常が発生した場所の混雑度や群衆の流れをリアルタイムに解析できます。

そして「異常な混雑」「集団で逃げる」「取り囲む」「集団で滞留する」などの異常を検知できます。

人の密度や流れから群衆の異常行動を検知する

人の密度や流れから群衆の異常行動を検知する

その結果、混雑しているところで人が倒れていた場合、その人を取り囲む群衆の動きを手がかりに

 

スピーディーに発見

 

することができます。

人が倒れていた場合の発見イメージ

人が倒れていた場合の発見イメージ

この技術が優れているのは、人と人が重なって見えるほどの混雑度でも、群衆の状況を高精度に解析できることです。

その秘密は、群衆を人のかたまりとしてとらえ、あらかじめ用意された数十万種類の群衆画像と比較することで、群衆の状況を判断するという方法を使っていることにあります。そのため、個人を特定することはありません。

防災カメラの映像を数十万種類の画像と比較することで状況を解析する

防災カメラの映像を数十万種類の画像と比較することで状況を解析する

群衆行動解析技術を用いた防災システムの導入は、豊島区が世界初とのことです。豊島区は51台の防災カメラを、池袋駅などの主要駅周辺や幹線道路、避難所などに設置し、これらの映像を災害対策センターで収集し、一元管理します。

NECでは2020年に向けて、この群衆行動解析技術をターミナル駅や空港、テーマパークなどに提案していく予定です。

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