BIM、CFDも活用!熊谷組がマンション改修データベースを開発
2015年4月13日

管理人のイエイリです。

分譲マンションや賃貸マンションの改修工事は一口で言っても、補修や改修を中心とした「リフォーム・リニューアル」、建物の用途を転換する「コンバージョン」、機能や付加価値を向上させる「リノベーション」などがあります。

これらの改修工事には非常に幅広いものがあり、ニーズに対して最適なものを取捨選択するのは大変です。

そこで熊谷組は、近い将来の本格的なマンション改修時代に備えて、「マンションリノベーション技術データベース」を構築しました。

改修対象のマンションの条件に応じて、

 

フローチャート

 

をたどっていくと、最適な技術を選定できます。

マンション改修技術を選ぶフローチャート(以下の資料・写真:熊谷組)

マンション改修技術を選ぶフローチャート(以下の資料・写真:熊谷組)

必要な技術を選定するとより詳細な情報にリンクが張られており、素早く詳細な技術資料を取り出すことができます。
また、技術資料は体系的に検索したり、画面に表示される質問に答えて検索したりすることによって選ぶこともできます。

体系的な検索方法

体系的な検索方法

 

質問に答えて技術を選ぶ方法

質問に答えて技術を選ぶ方法

マンションリノベーションというと、斬新なプランや新しい機器・装備の導入など、見た目の部分に目が行きがちです。

その点、このデータベースでは床の防音や、空調の効きやすさ、結露といった目に見えにくく、本質的に重要な対策も行えるようになってします。

石張りを下地に用いて乾式二重床で高い床衝撃音低減性能を実現する「NSフロアー石張り工法」

石張りを下地に用いて乾式二重床で高い床衝撃音低減性能を実現する「NSフロアー石張り工法」

同工法の施工例

同工法の施工例

目に見えない対策としては、空調に必要なエネルギーの計算や、建物内部の温度や照度の分布などを検討もあります。
こうした分野には、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

建物のBIMモデル

 

を作成し、そのデータを温熱負荷の計算ソフトや熱流体(CFD)解析、室内温熱環境予測ソフトに引き渡して解析するという高度な検討も行えます。(BIM=ビルディング・インフォメーション・モデリング)

BIMモデルをもとにCFD解析した例

BIMモデルをもとにCFD解析した例

また照度解析や室内光環境予測ソフトとBIMモデルとの連携機能も開発中とのことです。

政府も「ストック重視の住宅政策」やインフィルリフォーム工事の評価制度、不動産価格査定制度の仕組みを整備しつつあります。

マンションの音や温度、明るさなどはその重要性に反して、対策に対する投資効果も分かりにくいですが、BIMを使った検討なら、誰もが納得しやすく、不動産価格にも反映することも期待できますね。

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