管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)関係者の間で、期限ぎりぎりに迫ったプレゼンテーション準備の“修羅場”を乗り切るツールとして、「LUMION」というソフトが注目を集めています。
通常なら反射や透明度など、複雑な設定と長時間のレンダリングが必要なプールの水やガラスに映った背景などのCGを
ナ、ナ、ナ、ナント、
数秒で作成
することができるからなのです。
その開発者であるAct-3D社(Act-3D B.V.)のCEO(最高経営責任者)、フェリー・マルセリス(Ferry Marcellis)さんが来日し、LUMION開発の動機を語ってくれました。
現在、39歳のマルセリスさんは、高校生時代から物質が化学反応する様子を3Dで表現したり、学校の校舎内をウオークスルーする3D作品を作ったりしていたそうです。
大学ではプログラミングを学び、学生時代に早くも創業しました。
当初は様々な3D、4Dプレゼンテーションをプログラミングしながら行える万能型のプレゼンソフト「Quest 3D」を開発していましたが、建築分野のユーザーが多かったため、用途を建築に特化した「LUMION」を開発し、2010年12月に発売しました。
特徴はなんと言っても操作の簡単さです。例えば、LUMIONを立ち上げると、複雑なメニューはほとんどありません。ユーザーはマニュアルを読むことなく、直感的に天候や太陽の位置や輝き、物の色や人物などを配置し、リアルで高品質なCGやムービーを簡単に作ることができるのです。
「建築家はレンダリングの結果を待つことができない。そのため、CGは数秒で、どんなに長いムービーでも一晩でできるように処理スピードにはこだわっている」とマルセリスさんは語ります。
そのため、通常はかなりややこしいモデリングや設定が必要なプールの水を表現するときも、プールの範囲を画面上で設定し、底を“掘る”だけで、超リアルな水の質感などを表現したCGやムービーが作れます。
LUMIONには多くの3D部品が搭載されていますが、特にこだわっているのは
樹木と人物
とのことです。
というのも、プレゼンするときに樹木や人物はその国に合ったものが使われていないと、興ざめになってしまうからです。
人物は顔を3Dスキャナーで計測し、モデリングするほどの手間をかけています。画面にドラッグ・アンド・ドロップで配置すると、歩くように手足を動かします。
また、樹木はリストから選んでドラッグ・アンド・ドロップするだけで、葉っぱが風で揺らぎ、地面には影を落とします。
LUMIONを開発したマルセリスさんらは、今日(4月24日)、東京・京橋で開催されるイベント、「LumionForum2015”春” 東京会場」に登壇します。どんな話が出るのかが楽しみですね。