管理人のイエイリです。
電車や地下鉄など、電力で長距離を走る交通機関は、架線や第3軌条など、車両に電力を供給するラインと、パンタグラフや集電シューなどを接触させて走る必要があります。
その常識が最近、変わり始めました。というのも、電力をワイヤレスで送る方法が開発されてきたからです。
東京大学大学新領域創成科学研究科の藤本博志准教授らの研究グループは、東洋電機製造、日本精工との共同研究で、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ワイヤレス電力で回る
タイヤ、その名も「ワイヤレスインホイールモーター」を搭載した電気自動車の走行に成功したのです。これは世界初とのことです。
これまでの自動車は、車体にエンジンやモーターを搭載し、その回転力を車軸で各タイヤに伝えることでタイヤを回していました。
ところかワイヤレスインホイールモーターは、タイヤのホイール部分がモーターになっている点が違います。
ムダなギアや軸受けがほとんどないため、エネルギーのロスが少なく、車両を軽くできるほか、4輪を独立して制御できるのでタイヤの横滑りやスリップなどを防ぐことができます。
これまでは車体からホイールモーターに電力を送るための配線が必要でした。そこで今回の研究では、「磁界共振結合方式」という方法を使って10cm離れたコイルとコイルの間に電力を送ることで、車体からホイールモーターにワイヤレスで電力を送れるようにしたのです。
このニュースを聞いて、「なんだ、自動車業界の話か」と、片付けてはいけません。というのも、東大研究チームが目指す次の目標には
ナ、ナ、ナ、ナント、
道路からEVへの電力供給
をワイヤレス化することも含まれているからです。
これが実現すると、EVに搭載するバッテリーを小型化できるほか、電力を道路から受けながらどこまでも走れるEVが実現することになります。
建設業界や道路業界にとっても、無視できない研究成果かもしれませんよ。