管理人のイエイリです。
工事現場のコンプレッサーやエンジンなどから出る低周波騒音は、吸音や遮音対策を行ってもなかなか減衰させることができません。
そこで大阪ガスは、100Hz以下の特に低い低周波騒音を簡単に低減できる装置「スポットサイレンサー」を開発し、7月1日にササクラ(大阪市西淀川区)が発売することになりました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
設備の隣に置くだけ
で、騒音を減らすことができるのです。
スポットサイレンサーから設備から出る騒音と逆位相の音を発生させ、打ち消す「ANC(アクティブ・ノイズ・コントロール)」という仕組みで騒音を低減させます。
これまでも同様な仕組みの装置はありましたが、工事現場や工場など広い空間に広がる音に対しては、マイクやスピーカー、アンプ、パソコンなどの複数の機器を組み合わせ、現場ごとに機器の使用や配置を設計し、シミュレーションするという複雑な手順が必要でした。
その点、スポットサイレンサーは小型で一体型となっており、設置したときの
プログラム設定が簡単
と、とても使いやすくなったのが特徴です。
大阪ガスは家庭用や業務用のガス機器の静音性を向上させるため、2000年ごろから同社のエネルギー技術研究所で音響解析技術の研究に取り組んできました。
今回、この装置の開発に当たり、キャットシステム(兵庫県姫路市)とライセンス契約をしたほか、他社の技術やアイデアを組み合わせて革新的なビジネスや製品開発を行う「オープンイノベーション活動」によりユーテック(奈良県大和郡山市)が量産を行っています。
ANCによる騒音制御を、複数の企業連携によって開発、製造、販売した大阪ガスの手法は、大手企業が抱える技術シーズを製品として実らせるためにも、参考になりそうですね。