センサーを大幅削減!日立製作所が水道管の漏水検知システムを開発
2015年7月7日

管理人のイエイリです。

水道事業者にとって頭が痛いのは、配水管からの漏水問題です。特に東南アジアでは、漏水によるロスが30%を超えている地域もあるそうです。

しかし、都市内に網の目のように広がる配水管のどこで漏水が起こっているのかを突き止めるのは容易ではありません。

配水管網のあちこちにノイズを検知するセンサーを取り付けて漏水個所を探し当てる方法もありますが、膨大な数のセンサーが必要だったり、周辺の環境によっては検知が難しかったりという問題もありました。

そこで日立製作所はこのほど、新型の漏水管理システムを開発し、6月10日から販売を開始しました。

その特徴は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

センサーを大幅に削減

 

したことのなのです。

新型の漏水管理システムのイメージ図(資料:日立製作所)

新型の漏水管理システムのイメージ図(資料:日立製作所)

このシステムは、排水管路網を小エリアに分けて、そのエリアごとに漏水量を推定します。

漏水量の推定に必要なセンサーは 、配水エリアの入り口に圧力センサーと流量センサーが1つと、配水管網の小エリアに圧力センサーが1つだけです。

そして、水道管の材質、敷設年次、老朽度などのアセット情報を元に

 

水理解析シミュレーション

 

を行い、小エリアの圧力センサーの計測値とシミュレーションによる計算値を比較します。

この差が大きいと、小エリア内の漏水量も大きいことが予測できるわけですね。

ITによる漏水というと、単純にセンサーをたくさんつけることを考えがちですが、このシステムではセンサーだけでなく圧力損失の理論などを活用しているところがすばらしいと思いました。

日立製作所はこのシステムを2013年8月から2014年9月までシンガポール公益企業庁(PUB)の水道管網でフィールド試験を行いました。今後、東南アジアなどの新興国向けに展開していくとのことです。

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