管理人のイエイリです。
米国カリフォルニア州サクラメントで、プロバスケットボールチーム「サクラメント・キングス(Sacramento Kings)」の本拠地となるスタジアム(SACRAMENTO KINGS ENTERTAINMENT AND SPORTS CENTER)の建設工事が進んでいます。
施工は米国の大手建設会社、ターナー(Turner)が担当しています。その現場を、7月16日に突撃取材してきました。
約9万2000m3の土砂を掘削し、1000本の杭を打ち、9500トンの鋼材を使うこの大工事を取材した理由は、施工管理に
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMとUAVが大活躍
しているからなのです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)は、部材同士の干渉チェックや、3Dに時間軸を加えた4Dによる工程計画、設備部材などのプレハブ化、そしてコンクリートスラブを配管などが貫通する部分に設けるスリーブの設置作業など、施工効率を高めるためにフル活用しています。
BIMモデルはオートデスクの「Navisworks」で統合し、クラウドシステムの「BIM360 Glue」で現場関係者間で共有しています。
もう一つの大きな特徴は、UAV(無人機)による進ちょく管理を行っていることです。
毎週1回、昼休みなど現場での作業が行われていないときにUAVを飛ばし、現場の進ちょく状況をくまなく撮影します。
現場ではGPS(全地球測位システム)の電波が届かない場所もあるので、UAVの操縦は人間のパイロットが行います。
クレーンの周囲を飛行するなどの操縦には、高度な技術が必要なので専門のパイロットが担当しているとのことです。
この現場には、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のマニー・ゴルパバファード(Mani Golparvar-Fard)助教授の研究グループも参加しており、UAVによる空撮写真を利用して現場の3Dモデルを作ったり、進ちょく状況を把握したりする研究も行われています。
そのデータを使って、
プロジェクトマネジメント
も行っており、オラクルのプロジェクトマネジメント(PM)ソフト「Primavera」や、4DによるPMソフト「Synchro」で、工程管理を行っています。
ターナーとイリノイ大学の連携により、この現場ではBIM、UAV、そしてプロジェクトマネジメントの統合による次世代の施工管理が実現していました。
工事現場の業務は、ITシステム同士が有機的に連携することでますますパワーアップしていきそうです。