管理人のイエイリです。
カーブした道路脇に側溝を設ける場合、これまではカーブに沿って「水糸」を張り、これに沿ってU型側溝を設置していました。
この作業をミクロに見てみると、現場最前線ならではの難しさがあることがわかります。
というのも、5m、10mといった支持間隔で張られる水糸は多角形であり、U型側溝も定尺2mなどの直線なので水糸から微妙にずらして設置する必要があるからです。
そのため、従来は「土方カーブ」という現場技で水糸中間部からの離れ間隔を計算しながら、U型側溝のカーブ外側にできるすき間を目安に設置していました。
この作業をもっと正確に行うため、建設システムが本日(9月2日)、発売したのが「快測ナビ」という新製品です。
これまで土方カーブや目分量に頼っていた側溝の設置位置を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
100分の1ミリ単位
で高さ、水平方向ともに誘導してくれるものなのです。
クロソイド曲線や円弧などのカーブで構成された道路の図面を3D化し、システムに入力します。
すると現場に設置した墨出し・測設機「杭ナビ」(トプコン製)と、作業員が持つ現場用タブレット端末「タフパッド」(パナソニック製)によって、どこでも正確な設置位置に誘導してくれるのです。
側溝の正確な設置は、快測ナビの機能のごく一部です。このほか、画面上にCAD図面を表示させて任意の点を現場で墨出し・測設したり、測量機などを設置したりと、様々な機能があります。
快測ナビでは作業員が持つタブレット端末をスムーズに誘導するため、杭ナビという測量機を使っています。
その選定理由は、タブレット端末との通信頻度が
毎秒20回もある
からだったのです。
他の測量機は毎秒5回と頻度が少ない機種もあります。これだと測設位置までの誘導がスムーズにいかないのだそうです。
(訂正)
初出時に測量機との通信頻度を「毎分」と表記していましたが、正しくは「毎秒」でした。お詫びして訂正します。