CIM、土量計算にも使える!パスコが3D都市モデルデータを提供
2015年9月15日

管理人のイエイリです。

CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)に取り組むダムや造成現場では、ドローン(無人機)で空撮した現場の写真をコンピューター処理し、3Dモデルや点群データとして活用する例があります。

パスコは実物の飛行機でこうした空撮を行い、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

東京都心の3D空間写真

 

として提供を始めました。(プレスリリースのPDFはこちら

真下と前後左右の計5方向を撮影できる「オブリークカメラ」を飛行機に搭載し、少しずつ重ねて撮った航空写真と、撮影時に取得する3次元座標値を自動処理した点群データに三角形の面を張った「3D-TIN」データとして提供するものです。

 

オブリークカメラによる撮影イメージ(以下の資料:パスコ)
オブリークカメラによる撮影イメージ(以下の資料:パスコ)
スタジアムの3Dモデル

スタジアムの3Dモデル

東京都庁付近の3Dモデル。左側がカラー、右側がモノクロで表示

東京都庁付近の3Dモデル。左側がカラー、右側がモノクロで表示

この3D-TINデータの精度は「レベル500」(※1)~「レベル1000」(※2)と高いため、データを3次元CADやCGソフトに読み込で景観検討はもちろん、様々な解析に使うことができます。

※1「レベル500」…水平位置と標高(標準偏差)の絶対座標値の誤差が0.25m 以内

※2「レベル1000」…水平位置(標準偏差)の絶対座標値の誤差が0.7m 以内、標高(標準偏差)の絶対座標値の誤差が0.33m 以内

3D-TINの都市モデルを背景に建物などの3Dモデルを配置し、景観検討を行った例

3D-TINの都市モデルを背景に建物などの3Dモデルを配置し、景観検討を行った例

例えば、任意の視点場から都市空間を眺めた可視領域の解析に使うと、建物のある階からの眺望を再現したり、道路からの視認性を確認したりできます。

任意の視点場から見えるところ、死角になるところの検討例

任意の視点場から見えるところ、死角になるところの検討例

このほか、大規模都市開発での日照シミュレーションなど環境アセスメント分野や、プロモーションビデオなどの映像制作の素材としても活用できます。

また、斜面の地形も高精度で再現できるので、盛り土や切り土の

 

想定土量の計算

 

にも使えるそうです。

盛り土や切り土の想定土量も計算できる

盛り土や切り土の想定土量も計算できる

3D-TINデータは、縮尺に合わせて詳細表示が行える「OSG(Open Scene Graph)形式」で提供されますが、CGソフトのデータ交換フォーマットである「OBJ形式」や「COLLADA形式」などにも変換できます。

気になるお値段ですが、0.5平方キロメートル当たり5万円(税込み)からとリーズナブルです。また、10平方キロメートルを超える場合は面積に応じて割り引きもあるそうです。

オプションサービスとして、オブリークカメラで撮影したオリジナルの航空写真画像を直下視と斜方視4枚のセットで1平方キロメートル当たり1万5000円(税込み)から提供するほか、任意の場所の詳細なCAD/CGモデル作成や航空写真画像による図化も行います。

BIMやCIMの新しいデータ資源として大いに活用できそうですね。

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