NETISにもCIMの波が!安藤ハザマが構造物の“立体データベース”を登録
2015年10月20日

管理人のイエイリです。

公共土木工事を手がける建設会社にとって、国土交通省の新技術情報提供システム(以下、NETIS)に登録されている技術を活用することは、総合評価方式の入札を有利に進める上で、欠かせない戦略です。

このNETISにも、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の波が押し寄せつつあります。

安藤ハザマが2011年7月に登録し、2015年6月に最終更新した「3次元モデルを用いた構造物トレーサビリティシステム」(登録No.:KK-110010-A)という新技術がその一例です。

NETISに登録されていた「3次元モデルを用いた構造物トレーサビリティシステム」(以下の資料、写真:安藤ハザマ)

NETISに登録されていた「3次元モデルを用いた構造物トレーサビリティシステム」(以下の資料、写真:安藤ハザマ)

構造物の設計、施工、維持管理に関する情報を、構造部の3Dモデルと連携させて一元管理する

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

“立体データベース”

 

のようなシステムなのです。

管理に使用する構造物のCIMモデル。地表面や地質縦断図も含んでいる

管理に使用する構造物のCIMモデル。地表面や地質縦断図も含んでいる

システム全体図

システム全体図

CIMモデルと対になって使われるのが、読み書き可能なICタグです。管理対象の構造物の要所要所にこのICタグを取り付け、CIMモデルの属性情報と同じ情報を随時、登録します。

その結果、CIMモデルと同じ情報が現場のICタグにも蓄積されていくため、現場でICタグの情報をリーダーで読み取ると、即座にその部分の履歴などがわかるのです。

ICタグに情報を登録しているところ

ICタグに情報を登録しているところ

維持管理時に、現場のICタグを読み取ると、即座に過去の履歴などがわかる

維持管理時に、現場のICタグを読み取ると、即座に過去の履歴などがわかる

ICタグはキャップに装着する

ICタグはキャップに装着する

キャップ装着後の状態

キャップ装着後の状態

これまでは構造物のある部分の情報が必要になった場合、施工時の管理帳票や工事資料、電子納品データなどを検索して探し出す必要がありました。これに相当な手間ひまがかかっていたのです。

このシステムを使うことで、維持管理を行う事務所でも、現場でも、必要な情報がスピーディーにアクセスできるようになります。

また、3D画面上で様々な情報を統合して見られるので、工事担当の職員以外の人でも、現場の状況を収集、検索することができます。

3Dモデル上に切り羽写真を並べた例。わかりやすいです

3Dモデル上に切り羽写真を並べた例。わかりやすいです

気になるコストですが、初期コストはシステム開発や大量のICタグなどが必要になるため、従来方式に比べて10倍くらい高くなりますが、ランニングコストは逆に10分の1くらいになり、

 

10年間では約5%安くなる

 

という試算結果もあります。

これからもNETISにCIM関連技術がどんどん登録されると、CIM試行工事とNETIS登録技術の活用という合わせ技で、総合評価方式の入札を有利に進めることができそうですね。

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