管理人のイエイリです。
公共土木工事を手がける建設会社にとって、国土交通省の新技術情報提供システム(以下、NETIS)に登録されている技術を活用することは、総合評価方式の入札を有利に進める上で、欠かせない戦略です。
このNETISにも、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の波が押し寄せつつあります。
安藤ハザマが2011年7月に登録し、2015年6月に最終更新した「3次元モデルを用いた構造物トレーサビリティシステム」(登録No.:KK-110010-A)という新技術がその一例です。
構造物の設計、施工、維持管理に関する情報を、構造部の3Dモデルと連携させて一元管理する
ナ、ナ、ナ、ナント、
“立体データベース”
のようなシステムなのです。
CIMモデルと対になって使われるのが、読み書き可能なICタグです。管理対象の構造物の要所要所にこのICタグを取り付け、CIMモデルの属性情報と同じ情報を随時、登録します。
その結果、CIMモデルと同じ情報が現場のICタグにも蓄積されていくため、現場でICタグの情報をリーダーで読み取ると、即座にその部分の履歴などがわかるのです。
これまでは構造物のある部分の情報が必要になった場合、施工時の管理帳票や工事資料、電子納品データなどを検索して探し出す必要がありました。これに相当な手間ひまがかかっていたのです。
このシステムを使うことで、維持管理を行う事務所でも、現場でも、必要な情報がスピーディーにアクセスできるようになります。
また、3D画面上で様々な情報を統合して見られるので、工事担当の職員以外の人でも、現場の状況を収集、検索することができます。
気になるコストですが、初期コストはシステム開発や大量のICタグなどが必要になるため、従来方式に比べて10倍くらい高くなりますが、ランニングコストは逆に10分の1くらいになり、
10年間では約5%安くなる
という試算結果もあります。
これからもNETISにCIM関連技術がどんどん登録されると、CIM試行工事とNETIS登録技術の活用という合わせ技で、総合評価方式の入札を有利に進めることができそうですね。