37万平米を2日半で計測!地上スキャナー、MMS、ドローンの点群を一体化
2015年10月8日

管理人のイエイリです。

最近、広大な造成現場の3D計測を行うのに、ドローン(無人機)から空撮した数百枚のデジタル写真を合成し、ソフトウエアで点群データ(3次元座標を持った無数の点データ)を作成する手法が建設会社などでよく使われています。

ただ、空撮写真から作った点群データは、地上に生えている草木の表面を計測しているため、できれば3Dレーザースキャナーで草木の奥まで計測したいところですね。

そこで、長野県飯田市にある小林コンサルタントは、37万m2の造成現場を計測する際に、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

モービルマッピングシステム

 

(以下、MMS。車載型の3Dレーザースキャナー)を基本的に使い、MMSでは測れない部分を地上型3Dレーザースキャナーと、ドローンによる空撮で作成した点群データを組み合わせるという方法を採りました。

その結果、現場計測はわずか2.5日で完了したのです。その内訳はドローンによる空撮が1日、MMSによる計測が1日、そして地上型スキャナーによる計測が0.5日というものでした。

一方、点群データの解析には4.5日かかりました。ドローンの写真を解析して点群化する作業に3日かかり、MMSの点群は1日、地上型の点群は0.5でした。

ドローン、MMS、地上型スキャナーによる計測結果を合成した点群データ(資料:小林コンサルタント)

ドローン、MMS、地上型スキャナーによる計測結果を合成した点群データ(資料:小林コンサルタント)

下の画像は、3種類の計測方法で取得した点群データをどう組み合わせたかを表したものです。白のMMSが圧倒的に多いことがわかりますね。

3種類の点群データ内訳。白がMMS、黄が地上型スキャナー、赤がドローンによる部分

3種類の点群データ内訳。白がMMS、黄が地上型スキャナー、赤がドローンによる部分

こうして当初の地形と、施工後の地形の点群データを作成した後、同社は計測時期が異なる2つの点群データをソフトに読み込み、

 

盛り土、切り土の土量計算

 

も行っているのです。

20151007-image3

同社では前年に他社が計測した点群データや、数十年前の地形図データを3Dモデル化したデータなど、様々な3Dデータと現在の点群データを比較して、土量計算などを行っています。

ただ、異なる機種の3Dレーザースキャナーや異なるソフトで作成した点群データは、XYZ座標や3原色を表すRGBデータの並び順が違っている場合があるので、注意が必要とのことです。

これらの点群活用法は、同社技術部空間情報事業課3Dチーム主任の田嶋誠司氏が、9月10日に東京で開催されたセミナー「3Dデータ活用 本格時代到来」(主催:トプコンソキア
ポジショニングジャパン)で、紹介したものです。

講演する技術部空間情報事業課3Dチーム主任の田嶋誠司氏(写真:家入龍太)

講演する技術部空間情報事業課3Dチーム主任の田嶋誠司氏(写真:家入龍太)

点群データをあまり特別なものと考えず、柔軟に活用する姿勢は、大変参考になりますね。

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