渋谷でチョウや野鳥が住める所は?東急建設がGISで生息環境を見える化
2015年10月9日

管理人のイエイリです。

東京・渋谷駅周辺は今、高層ビルや地下鉄、河川の付け替えなどの大規模な工事の真っ最中です。

一方、渋谷駅周辺には公園や屋上緑化されているビルも多く、これらの点が連続した線になると、トンボやチョウ、鳥などの生物が暮らしやすい町になります。

東急建設は、生物が都市部の緑地間を飛行しながら生息できる空間の連続性に注目し、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

GISを利用して

 

生物が暮らしやすい環境を地図上に色分け表示するツールを開発し、“見える化”したのです。

東京・渋谷駅周辺で野鳥(シジュウカラ)が住みやすい場所を色分けした例(以下の資料、写真:東急建設)

東京・渋谷駅周辺で野鳥(シジュウカラ)が住みやすい場所を色分けした例(以下の資料、写真:東急建設)

このツールは「エコロジカル・コリドー簡易評価ツール(CSET:Ecological Corridor Simple Evaluation Tool)」というものです。

特定の野生生物の生息環境のポテンシャルを定量的に評価する手法(HEP:ハビタット評価手続き)と、GIS(地理情報システム)を応用して開発しました。

開発には、東京都市大学環境学部環境創生学科ランドスケープ・エコシステムズ研究室田中章教授の指導を受けました。

このツールは、評価対象地にある樹林や草地、水辺などの簡単な土地利用条件から、生物にマッチした生息環境の可能性を点数化し、地図上に示すことができます。

評価対象となる生物は、周囲の環境を考慮してトンボ類、チョウ類、鳥類から選択できます。例えば周辺に樹林がある場合は、樹林を好むクロアゲハシやジュウカラなどを選定します。

渋谷に本社を置く東急建設は、このツールを開発するため、2010年から2014年にかけて、

 

本社周辺の半径2km

 

の範囲内のあちこちにある緑地で植物や昆虫、鳥類の調査を実施し、このツール構築の基礎データを収集しました。まさに足で稼いだ情報ですね。

同社は2012年から4年連続で、東京都公園協会青山公園サービスセンターと、幼稚園児から小学生低学年を対象に「夏休み!公園生き物観察会」を共催し、「生き物観察会」も開催しています。

生き物観察会の様子

生き物観察会の様子

大都市のド真ん中でも、野生生物が生息できる場所は意外とあるものなのですね。見える化によって、足りない部分の屋上緑化に力を入れるなど、「集中と選択」による緑化で都市内の生物誘致も効果的に行えそうです。

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