空調界のIoT!既存設備を最大40%省エネ化する「SmartStream-X」
2016年1月27日

管理人のイエイリです。

ビルの空調システムは最近、BAS(ビルディング・オートメーション・システム)と呼ばれる中央制御システムでコントロールされています。

しかし、細かく見るとボイラーや冷凍機などの熱源機器、循環送水ポンプ、ファンなどの制御方法が古いため、必要以上に運転され、エネルギーの無駄が多いのが現状です。

そこで、NTTファシリティーズは既存の空調設備をほぼそのまま使って、省エネ化を図る新水冷式空調制御システム「SmartStream-X」を開発、このほど販売を開始しました。

その省エネ効果ですが、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

最大で40%も削減

 

できるのです。

新水冷式空調制御システム「SmartStream-X」のイメージ(以下の資料:NTTファシリティーズ)

新水冷式空調制御システム「SmartStream-X」のイメージ(以下の資料:NTTファシリティーズ)

制御対象の機器は(1)冷却塔の流量を調整する冷却水ポンプ、(2)熱源機器の出力と空調機へ送水する2次ポンプ、(3)空調機で使用した水を冷却塔に送る1次送水ポンプ、そして(4)空調機のファンです。

従来の制御盤に、人工知能を持つ制御装置を新たに組み込むことで、各機器の情報を3G回線のネットワークで共有し、連携させることで無駄のない運転を行うことができます。

このシステムは、約15施設で導入され、平均3割の省エネ実績のある水冷式空調制御システム「SmartStream」と同じ機能を、ユーザーが導入しやすいようしたものです。

上記4つの制御をいきなりすべて取り換えるとなると、初期投資が多くなるので心配ですが、このシステムは

 

4段階に分けて導入

 

することができるので、まずは消費エネルギーが大きな機器を対象に導入してみて、効果が確認できたら順次、別の機器にも導入を拡大していくことができます。

■表1.SmartStream®-Xの制御内容と省エネ効果

対象設備 制御内容 省エネ効果の目安 最大削減効果の目安
①冷却水ポンプ 熱量に応じた流量にポンプを常に調整 5~10% 10%
②2次ポンプ 居室の環境に合わせてポンプ流量を調整 5~10% 20%
③熱源機・1次ポンプ 2次ポンプに合わせて稼働状況を最適化 5~10% 30%
④空調機 居室の環境に合わせて空調機の風速を調整 5~10% 40%

NTTファシリティーズではこのシステムをクリーンルームや病院、大型将棋用施設などに提案し、2017ねんどまでに累計売上げ36億円を目指しています。

既存の設備はそのままで、制御部分だけを改善すると省エネ化が実現できるとは、意外ですね。これも空調設備界の「IoT(Internet of Things)」の実例と言えそうです。

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