実プロジェクトもできる!シンガポールにBIM訓練施設が誕生
2016年2月26日

管理人のイエイリです。

シンガポールには、建築・建設庁「BCA(Building and Construction Authority)」の教育施設として「BCA アカデミー」という学校があります。

同国では2013年から2015年にかけて、建築確認申請時のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデル提出が段階的に義務づけられたため、BIMマネージャーなどの人材ニーズが急増していますが、BCAアカデミーでも専門のコースを設けてこうしたニーズに対応してきました。

シンガポールのBCAアカデミー(以下の写真:家入龍太)

シンガポールのBCAアカデミー(以下の写真:家入龍太)

そのBCAアカデミーに最近、さらにパワフルなBIM訓練施設「BIMスタジオ」(正式名称:Center For Lean & Virtual
Construction)ができました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

BIMによるコラボ

 

を実践的に訓練することができるのです。

BCAアカデミーに設けられた「BIMスタジオ」

BCAアカデミーに設けられた「BIMスタジオ」

BIMの概念や施設についての説明を行うエリア。巨大なタッチパネル式Windowsパソコンがかけられています

BIMの概念や施設についての説明を行うエリア。巨大なタッチパネル式Windowsパソコンがかけられています

BIMスタジオは7つの部屋に分かれています。「バーチャル・デザイン・アンド・コンストラクション」という部屋には、BIMソフトをインストールした20台ほどのパソコンが4つの島に分けて配置されいました。

それぞれの島に意匠、構造、設備、技術などの設計者や技術者が分かれて着席し、サーパー上にあるBIMモデルを共有しながら、設計や施工の問題点を短期集中的に解決する訓練を行うことができます。

「バーチャル・デザイン・アンド・コンストラクション」という部屋。多くのパソコンが配置されている

「バーチャル・デザイン・アンド・コンストラクション」という部屋。多くのパソコンが配置されている

また、「AR & VR」という部屋では、仮想現実感や拡張現実感を体験できる設備が整っています。図面の上にスマートフォンをかざすと建物の3Dイメージや動画が出てきたり、ヘッドマウントディスプレーを使って建物の内外を立体視しながらリアルに体験することができます。

スマホによるARの体験

スマホによるARの体験

ヘッドマウントディスプレーを使ったVRの体験

ヘッドマウントディスプレーを使ったVRの体験

「ICE」という部屋には、テーブル状のタッチパネルモニターと壁上にスクリーンが用意されています。この部屋は、施主などを招いて設計に対する要望を聞いて設計修正事項を、別室の設計者に送り、その場で修正するというコラボを行うことができます。

「ICE」室に置かれたテーブル状のタッチパネルモニター

「ICE」室に置かれたテーブル状のタッチパネルモニター

そして圧巻なのは、「BIMコネクト」という部屋です。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

実物大3Dスクリーン

 

が置かれており、専用の3Dメガネをかけるとその動きをスクリーン上の6つのセンサーが追跡し、実物大で建物を立体視しながら、設計内容を確認することができます。

「BIMコネクト」室の実物大3Dスクリーン

「BIMコネクト」室の実物大3Dスクリーン

これらの施設のうち、「バーチャル・デザイン・アンド・コンストラクション」室と「BIMコネクト」室は、実プロジェクトを行うために、一般企業などに貸し出しています。

プロジェクトのBIMデータをUSBメモリーや外付けハードディスクに入れて持ってくるだけで、本格的なBIMのプレゼンや設計コラボレーションが行えるというわけです。

シンガポールのBIMは、ますます進化していますね。

壁紙もBIMらしさが演出されています

壁紙もBIMらしさが演出されています

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