高所作業車、職員の位置を見える化!竹中工務店がiBeaconを現場に導入
2016年2月17日

管理人のイエイリです。

大きな工事現場だと、同時に数百台もの高所作業車を使うことがあるそうです。普通、作業車ごとに使用者が決まっています。

そこで、朝の仕事はまず、自分が使う作業車が現場のどこにいるのかを探すことから始まりますが、それに費やす時間は毎日のべ30分くらいかかることもあります。

そこで竹中工務店は、作業車探しの無駄を省く位置把握システムを開発し、イオンモール堺鉄砲町作業所で試験運用を行いました。

工事現場内の高所作業車や現場職員の位置を

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

現場職員の携帯端末

 

上に、5~10mの精度で表示してくれるのです。

携帯端末上に表示された高所作業車や現場職員の位置(以下の資料、写真:竹中工務店)

携帯端末上に表示された高所作業車や現場職員の位置(以下の資料、写真:竹中工務店)

これまでも、建設機械などの位置を把握する技術はありましたが、GPSは屋内では使えなかったり、高価な発信器や受信機などの機材が必要だったりという理由で、工事現場ではなかなか普及しにくかったのが実情です。

コスト問題を解決するために、同社が選んだのは「iBeacon」というBluetoothを低消費電力化した通信機能で、「iOS7」以降を搭載したiPhoneやiPadに標準搭載されています。

そして電波の“ミニチュア灯台”のような役目をするiBeaconの無線発信器を、現場の仮設照明(10~20m間隔)や高所作業車などに取り付けておきます。

使用したiBeacon対応の無線発信器

使用したiBeacon対応の無線発信器

仮設照明への設置

仮設照明への設置

高所作業車への設置

高所作業車への設置

無線発信器の近くを現場職員が通りがかると、職員の携帯端末がその電波を受信してサーバーに送信し、現場内の高所作業車や現場職員の現在位置をリアルタイムに共有できるという仕組みです。

このシステムを導入した現場では、29人の現場職員全員がこのシステムを使ったところ、作業車の“捜索”に毎日30分程度かかっていた手間がほぼゼロになり、

 

半年で72時間の時短効果

 

が得られたそうです。

iBeaconの発信器は、電池で数カ月~数年間稼働します。これまでは店舗内でお客さんの移動に応じて広告などをスマホに表示したり、スタジアムの座席に取り付けてビールの注文を受け付けたりといった用途に使われてきました。

現場に導入すると、広い現場内でのヒトやモノがどこにあるのかを探す時間が減り、様々な面でかなりの生産性向上が期待できそうですね。

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