管理人のイエイリです。
昨年、台湾・高雄市で“全線架線レス”の路面電車が走り始めました。駅で停車中に、パンタグラフを上げて駅構内の短い架線から充電し、次の駅まで走るということを繰り返す方式です。
早稲田大学理工学術院の紙屋勇史教授と東芝などからなる研究グループは、これと似たようなコンセプトの先進電動バス「WEB-3 Advanced」を開発しました。
バスターミナルに戻ってくる度に、次の走行に必要な分の電力だけを充電する
多頻度少量充電
によって、バッテリーを小型化することに成功したのです。
バスは31人乗りで空車重量は5990kg。40kWhのリチウムイオン電池を搭載しています。
1kWhの電力で約1.5kmを走行でき、空調を使わないときは1回の充電で最大50km(公道走行時)を走れます。
バッテリーは大きく、重たく、高価なため、できるだけ小さくした方が車内のスペース、軽量化、コストの各面で有利というわけですね。
とは言え、充電の頻度は多くなりますので、いちいちバスターミナルで充電ケーブルをセットするのは手間がかかります。
そこで、このバスにはパンタグラフを付けたのかと思いきや、東芝が新規開発した磁界共鳴型の
ワイヤレス充電装置
が搭載されたのです。充電は運転席のボタン操作のみで行えます。
さすが、先進電動バスというネーミングの通り、一歩先を進んでますね。
この研究は環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に採択されたものです。
早稲田大学と東芝は、2月1日から川崎市殿町のキングフロント地区と羽田空港周辺で、川崎市、全日本空輸の協力を得て、公道での実証試験を開始しました。試験は今年末まで行われる予定です。
(Visited 1 times, 1 visits today)